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2021年に記憶に残った10本 DRCからNZシャルドネまで

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 ワイン業界も年末になって、正常化に向かい始めた2021年。閉じ込められていた期間は、2020年より長かった。国内外から送られてきたサンプルと、座って行う試飲会などから、レビューを投稿したワインは約650本。2020年より少ないが、記憶に残る10本を選んだ。得点ではなく、強い印象や発見のあったワインたちだ。


 スペインは相変わらず発見が多い。各地で固有品種から興味深いワインが生まれている。コマンドGがガルナッチャで造る単一畑「ラス・ウンブリアス 2017」はグレドスの最高峰。全盛期のラヤスを思い出させる。


 ブルゴーニュ赤ワインからはDRCを2銘柄。最新ヴィンテージ2018を水平試飲した。「ロマネ・コンティ2018」の、足し算も引き算も不要な球体的バランス感に吸い込まれた。1999もミニ水平試飲。ピークは20年先と見られ、かすかに後悔したが、「ラ・ターシュ1999」の圧倒的なインパクトにKOされた。


 ブルゴーニュの白ワインはドメーヌ・ラモネの「モンラッシェ 2019」。精細度が高く、力強さと繊細さの優美なハーモニー。ピュリニー・モンラッシェ村側に位置するLe Montrachetの最高峰の1つだろう。


 シャンパーニュではグローワーがいま面白い。ヴィトリ・ル・フランソワを復興させた一族のアントワーヌ・シュヴァリエの「カルコニア ブラン・ド・ブラン ル・バ・デュ・モン・フルシュ 2016 エクストラ・ブリュット」は、目が覚めるようなチョーキーな酸と緊張感に包まれている。


 気候変動でメゾンも生産し始めたコトー・シャンプノワ。ルイ・ロデレールが、ビオディナミと自然な栽培手法により造った「コトー・シャンプノワ・ルージュ オマージュ・ア・カミーユ 2018」と「コトー・シャンプノワ・ブラン オマージュ・ア・カミーユ 2018」は、高価だが、シャンパーニュの未来を予見している。


 ボルドーは進歩を続けている。2020プリムールの中で注目したのは「シャトー・ローザン・セグラ 2020」。クリュッグやシュヴァル・デ・アンデスで経験を積んだ1975年生まれのニコラ・オードベールが異彩を放っている。


 瓶詰めされた2018の代表的な銘柄を試飲した中で、印象に残ったのは「シャトー・ポンテ・カネ 2018」。電気や温度管理は使わず、熟成にはアンフォラも使った自然派のグランヴァンだ。


 イタリアからはうなぎの蒲焼に合わせたヴァレンティーニの「チェラスオーロ・ディ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ1998」。20年以上の熟成を経た巨大なエネルギーをたたえたロゼ。20年寝かして真価を発揮した奇跡の液体だった。


 ニュージーランドのマールボロから発見した宝石がブランク・キャンバス。新マスター・オブ・ワインになったばかりのソフィー・パーカー・トムソンMWの夫妻が造る「マールボロ リード シャルドネ 2019」は、今年飲んだ新世界シャルドネで最も驚かされた1つだった。

 

コマンド Gの左から、ラ・ブルーハ・デ・ロサス 2017、ロサス・プルミエ・クリュ 2017、ラス・ウンブリアス 2017
ドメーヌ・ラモネの、左からバタール・モンラッシェ、シュヴァリエ・モンラッシェ、モンラッシェ
ルイ・ロデレールの「コトー・シャンプノワ・ルージュ オマージュ・ア・カミーユ 2018」と「コトー・シャンプノワ・ブラン オマージュ・ア・カミーユ 2018」
「アントワーヌ・シュヴァリエ カルコニア ブラン・ド・ブラン ル・バ・デュ・モン・フルシュ 2016 エクストラ・ブリュット」

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