世界最高のシェフ、ギィ・サヴォワが2つ星に降格

　世界最高のシェフに6度も選ばれたパリのギィ・サヴォワが、ミシュランガイド・フランスの2023年版で3つ星から2つ星に降格される。ミシュランガイドが27日に発表した。美食業界に衝撃が走っている。

　69歳のギィ・サヴォワは2002年から3つ星を保持している。世界のグルメガイドやネットのレビューを解析して世界のベストレストランを選ぶフランスの「ラ・リスト」（La List）では昨年11月、6年連続で世界最高のシェフに選ばれた。

　また、シャラント・マリティームでシェフのクリストファー・クータンソーが2020年から3つ星を保ってきた「ラ・ロシェル」も2つ星に降格される。

　ミシュランガイド国際ディレクター、グェンダル・プレネックは「特別な店なので、年間を通じて検査官が何度も訪問し、慎重に検討した結果であることは想像できるだろう」とAFPに対して述べた。理由は公表されず、シェフには降格の事実を連絡したという。

　ミシュランガイドのフランス版は近年、タブーを失くして、長く3つ星を保ってきたレストランを降格している。2019年版では「オーベルジュ・ド・リル」（アルザス）、「ラストランス」（パリ）、「ラ・メゾン・デ・ボワ」（オート・サヴォワ）の3つ星3店が2つ星に降格された。2020年版では、3つ星を半世紀以上保持してきたポール・ボキューズを2つ星に下げた。

　フランスのレストランは、パンデミック以降、人手不足に苦しみ、素材や運営のコストも上がっているが、ミシュランは信頼性を保つために降格をためらわない姿勢を改めて示した。2021年と2022年版は状況を考慮して、3つ星の降格はなかった。

　2023年版の内容は6日にストラスブールで発表される。