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2024年で最も記憶に残る10本

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 1年の最後に2024年に試飲した中から最も記憶に残る10本を紹介する。投稿した約1000本のレビューを見直して、ワイン高いスコアを与えたワインではなく、強い印象を残したワインを選んだ。記事化していない12月のワインは残念ながら含めていない。飲んだ順に並べた。


「コングスガード シャルドネ ザ・ジャッジ マグナム 2013」(Kongsgaard Chardonnay The Judge Magnum 2013)

 初来日したジョン・コングスガードと14年ぶりの再会。昔の印象とは異なり、抑制されて力強さと緊張感が共存する味わい。14%のアルコール度を感じない。酸と果実がハーモニアスに統合されて、塩気とハチミツを帯びたフィニッシュ


「エグリ・ウーリエ グランクリュ ミレジメ 2008」(Egly-Ouriet Grand Cru Millesime 2008)

 娘のクレマンスと共に来日したフランシス・エグリ。2年ぶりに試飲した2008は重力を感じさせず、深遠なるエネルギーを秘めていた。禅のようなワイン。豊満でチョーキーなアンボネイのエッセンスが詰まっている。


「シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン 2023」(Chateau Les Carmes Haut-Brion 2023)

 4月のプリムールでギョーム・プーティエと初めて会った。カベルネ・フランを50%使い、全房発酵60%。みずみずしく、透明感に包まれている。繊細だが彫りは深い。すいすいと飲める。深みがあり一番だしの上品な香り。


「ルイ・ロデレール クリスタル 1979」 (Louis Roederer Cristal 1979)

 メゾンでジャン・バティスト・レカイヨンとランチ。洗練された泡がシームレスに一体化し、完熟したブルゴーニュの崇高な領域に突入していた。シャンパーニュを超えている。ドザージュは11g/Lと多いが、メイラード反応で溶け込んでいる。


「ジュリアン・スニエ モルゴン 2022」(Julien Sunier Morgon 2022)

 遅ればせながらの発見。純粋で、人の手が入っていないかのような自然体のボジョレー。飲みだすとワイン注ぐ手が止まらない。クリストフ・ルーミエのセラーで2年間にわたり研修した。
 

「ジャック・セロス ミレジメ 2002」(Jacques Selosse Millesime 2002)

 熟成したミレジメとリューディの試飲ディナーで。暑くて乾燥した夏に恵まれ完ぺきに近いヴィンテージ。テクスチャーはチョーキーでソルティ。洗練されていて官能的。すべての要素が一体化していた。


「ピエール・イヴ・コラン・モレ モンラッシェ 2023」(Pierre-Yves Colin-Morey Montrachet 2023)

 10月にワインレポートの研修ツアーで訪れて試飲。わずか160本。1920年代の古木のシャルドネを新樽のフェイエットで熟成する。これまで喉を通り過ぎたモンラッシェの中で最もゴージャスな1本。


「ドメーヌ・セシル・トランブレー シャペル・シャンベルタン 2023」(Domaine Cecile Tremblay Chapelle-Chambertin 2023)

 現在のブルゴーニュのトップ走者。重さはなく、球形なバランス、どこまでも軽やか。エキスがたっぷりで、塩気を帯びた余韻が果てしなく続く。フィネスとエレガンスのお手本。心洗われる。


「ドメーヌ・アルヌー・ラショー ロマネ・サン・ヴィヴァン 2021」(Domaine Arnoux-Lachaux Romanée-Saint-Vivant 2021)

 甘やかなタンニン、グリップがあり、純粋なフルボディが透明感に包まれている。ダイナミックな活力にあふれ、花の香り。19世紀のワイン造りへ回帰しているが、未来を志向するバック・トゥ・ザ・フューチャー。


「ドメーヌ・アルノー・アント ムルソー・プルミエクリュ レ・グットドール 2021」(Domaine Arnaud Ente Meursault 1er Cru Les Gouttes d'Or 2021)

 ムルソーに望めるすべての要素が含まれて統合されている。ビロードのテクスチャー、骨の太い構造、塩気を帯びた丸みのある余韻。コート・ドール随一の徹底した畑仕事とワイングローブで白ワインの頂点に立つ。

セシル・トランブレー
アルノー・アント
ギョーム・プーティエ
クレマンス・エグリ
ジャン・バティスト・レカイヨンと

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