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新型コロナウイルスでワイン市場が冷え込む中で、ジョージアワインが着実に日本市場に浸透している。世界遺産に登録されているジョージアワインと和食のペアリングを家庭で楽しむのを手助けするパンフレットも作成され、プロモーションに力が入っている。
日本の通関実績によると、2020年のジョージアワインの輸入は2019年の95.5%の1万3412ケース。上位11生産国の平均89.8%と比べて善戦している。ナショナル・ワインエージェンシー・オブ・ジョージアからアンバサダーを委嘱された大橋健一MWは「愛好家を対象にしたオンラインのマスタークラスのアンケートでは、世界遺産に登録されているクヴェヴリワインの醸造法に関心の高いことがわかった」という。
そこから、クヴェヴリワインと和食というダブル世界遺産をペアリングして、家庭の食卓でおいしく味わうというプロモーションが生まれた。日本のトップソムリエ3人が、代表的な3品種に合わせる料理を提案した冊子を作成して、酒販店などで配り、愛好家にジョージアワインの魅力を広めている。
テイスターを務めたのは、世界最優秀ソムリエコンクールに4大会連続で出場した森覚・コンラッド東京エグゼクティヴソムリエ、日本を代表するソムリエ・テイスターの大越基裕さん、ワインスクール講師としても活躍する松木リエさん。
3人のトップソムリエがペアリング提案
白ブドウのルカツィテリ、ムツヴァネ、黒ブドウのサペラヴィという、ジョージアの代表的3品種を取り上げ、通常の醸造法によるヨーロピアン・スタイルとクヴェヴリ・スタイルを想定しながら、東京・銀座の居酒屋で相乗しそうな家庭料理を作ってもらい、実際にワインと合わせてみた。
そうした体験に基づいて、大橋MWと森ソムリエの2人がマスタークラスを開き、森ソムリエがワインを試飲しながら、ペアリングのツボや背景を明らかにした。
ヨーロピアン・スタイルの白ワインについては、「酸を基調に塩気もあるルカツィテリは、ポン酢に蜂蜜を加えた魚介と合わせるとコクがでる。ムツヴァネは豚肉と相性がよい。豚のうまみとムツヴァネの柔らかい果実味があう」と森さん。
同じ白品種でもクヴェヴリ醸造だとうまみやタンニンの渋みが加わる。森さんは「天ぷらにはオレンジワインが合う。ルカツティリなら塩気のある舞茸と生ハムのかき揚げ。ムツヴァネは豚の角煮に、辛子を添えてスパイシーに合わせる。ムツヴァネは総じて豚に合う」とポイントにフォーカス。
また、赤ワインのサペラヴィのクヴェヴリ・スタイルは、3人とも煮込み料理を提案したという。パンフレットにはそうしたペアリングの実例とバックグラウンドにある考え方が詳しく紹介されている。
大橋MWは「我々が普段の食卓で楽しむ日本料理が、ヨーロッパのワインに合うのは新鮮な感動だった。食のダブル世界遺産の体験を手元の素材で楽しんでほしい」と語った。
冊子「ジョージア・ワインと和食のペアリング」のPDFはジョージアワインの公式ウェブサイトからダウンロードできる。こちら
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