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2020年末から続くオーストラリアと中国の貿易摩擦により、オーストラリアワインの対中輸出が伸びず、フランスワインが中国市場の輸入No.1ワインにとって変わった。
中国税関のレポートによると、2021年の最初の3か月間のフランスの瓶詰めされたワインの輸入は前年比16%増加して、2710万リットルに達した。オーストラリアワインは81%ダウンして423万リットルにとどまった。チリが23%伸びて1583万リットルで2位に入った。
オーストラリアと中国は自由貿易協定を結んで、2019年に14%の関税が免除された。だが、新型コロナウイルスの原因をめぐって政治的な摩擦が生じて、昨年11月から制裁関税が発動され、中国は2リットル以下の瓶詰めワインに218%の関税を課している。
そのため、中国で4割のシェアを占めてきたオーストラリアワインが、中国とチリに取って代わられた格好となった。
オーストラリアワインの世界出荷額も微減
一方、ワイン・オーストラリアが発表した2021年3月までの12か月間のオーストラリアワインの世界向け輸出額は、4%ダウンして27億7000万豪ドルとなった。輸出量は1%ダウンの7億2400万リットル(8000万ケース)。ワイン・オーストラリアによると、中国の制裁関税によって、中国本土への輸出が減少したのが原因。
中国市場向けは輸出額でトップを保ったものの、この12か月間の輸出は金額で18%、量で37%減少した。香港向けは好調だが、中国本土向けは輸出額が24%ダウンの8億6900万豪ドル、輸出量が40%ダウンの7800万リットルだった。
ヨーロッパ市場の好調が中国の減少を補った。英国向け輸出は輸出額で33%、輸出量で21%伸びた。ドイツ向けも輸出額で19%、輸出量で22%増加した。
日本向け輸出は金額で4400万豪ドルで13%減少し、量は140万ケースで19%減少した。
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