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重厚かつ優雅なシャトー・モンローズ2025、テラスIVの土壌から理解(ボルドー2025プリムール)

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 シャトー・モンローズはブルゴーニュ愛好家をもっと引き付けてもいい。土壌が形成するテロワールをボルドーで最も深く研究している。ボルドー左岸は長年、ラベルで語られる産地だった。壮大な農園、洗練された醸造家、印象的なシャトー、手入れされた畑。見るだけで心奪われるが、テロワールが深堀りされることはあまり多くなかった。

 
 モンローズはオリヴィエ&マルタン兄弟が2006年に買収してから変わった。技術責任者のヴァンサン・ドゥカップが土壌のタイプを研究し、2017年からブルゴーニュと同様に区画の線引きを始めた。サンテステフは粘土の強い土壌だから厳格になりがちというおおざっぱな理解で語るのは過去の物語になった。

 

格付けワインの80%がテラスIIIとテラスIV


 1980年代から調査したピエール・ベシュラーによって、段丘1(テラスI)から段丘6(テラスVI)まで時代の異なる6つの段丘があり、それぞれ異なる土壌を有していることがわかった。テラスIIIとテラスIVがワイン栽培に最適で、1855年の格付け当時、格付けされたワインの80%以上がこの2つの地層に位置していたことを発見した。


 モンローズのグランヴァンの大部分を占めてきたのがテラスIVだ。力強く、ヴォリュームがあり、表現力が豊か。2023年からグランヴァンはこの貴重なテラスIV産のみで造られるようになった。シャルロット・ブイグ社長の下でCEOに就任したピエール・グラフィユCEOも前に在籍していたレオヴィル・ラス・カーズがテラスIVの土壌を有していることをよく知っていた。


 テラスIVはサンテステフで表面に出て、モンローズの下を走ってポイヤックの南端で消える。ラトゥールあたり再び現れて、サンジュリアンの3つのレオヴィルとデュクリュ・ボーカイユを走り、マルゴー全体で再び隆起して、オー・ブリオンの下で再び隆起する。


 モンローズのテラスIVの特徴は砂利の下にある鉄鍋だ。その層は冷たく、水分を保持する。暑い年にはブドウ樹に栄養を与える。保温性の高いジロンド川の近くを流れるため、1991年のような霜の年は守られた。


 テラスIIIもコス・デストゥルネル、ムートン、ラフィットの下を走っている。モンローズは標高が高いため、ブドウの根は真下に深く伸びる。表土の粘土が少なく、水はけがよいので暑くて乾燥した年によく育つ。


 モンローズは95haのうちテラスIVに45ha、テラスIIIに12haを所有する。シャトーの裏手に広がるテラスIIIからのみ造った「テラスIII・デュ・シャトー・モンローズ 2023」は熟成を経て2027年にリリースされる予定だ。


 土壌の特質、ジロンド川への近さ、微気象に影響を与える多くの要素の理解を深めると、ボルドーはもっと楽しい。


 2025年は乾燥していたが、雨が毎月少しづつ降った。成育期間の雨量は180ミリ。収穫は8月29日に始めて9月20日に終えた。


 「シャトー・モンローズ 2025」(Chateau Montrose 2025)はテラスIVのカベルネ・ソーヴィニヨン77%、メルロー19%、カベルネ・フラン4%。ダークチェリー、プラム、リコリス、タバコ、凝縮していて重厚で力強いが、エレガンスを備えている。タンニンは純粋できめ細かい。正確で重層的な構造、深みを増しながら長い余韻が続く。97点。


 「ラ・ダム・ド・モンローズ 2025」(La Dame de Montrose 2025)はメルロー82%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、プティ・ヴェルド5%、カベルネ・フラン3%。フローラルで芳醇、生き生きした果実味、パウダリーなタンニン。丸くてスパイシー、洗練されて引き締まった味わい。92点。

ピエール・グラフィユCEO
テラスIVの鉄分が豊富な土壌
ジロンド川の近くで羊を放牧
テラスIVは45ha、テラスIIIは12ha
テラスIV(右)の根は横に広がり、テラスIIIは深く伸びる

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