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サンジョヴェーゼはトスカーナ人の魂に宿っている。フォントディのジョヴァンニ・マネッティから15年前に現地で聴いた言葉を覚えている。
「サンジョヴェーゼは我々の誇りだ。トスカーナでしか成功しない品種なんだ」
キアンティ・クラッシコにあまたいるサンジョヴェスタ(Sangiovesta)の中で最も尊敬している造り手が、レ・ペルゴーレ・トルテを始めたモンテヴェルティーネのセルジオ・マネッティとチェッパレッロを始めたイゾレ・エ・オレーナのパオロ・デ・マルキである。
イゾレ・エ・オレーナは2022年にフランスのラグジュアリー企業EPIグループに買収されたが、サンジョヴェーゼ愛の詰まったエレガントなワインは不変だ。ディレクターのエマヌエーレ・レオロンとともにチェッパレッロのミニ垂直試飲をして実感した。
キアンティ・クラッシコはそもそも安ワインだった。中世からメザドリアと呼ばれる小作制度で大量生産されてきた。ピエモンテのパオロ・デ・マルキ(Paolo de Marchi)の父が1956年にイゾレとオレーナの農園を購入して変革をもたらした。トリノ大学で農業を学び、カリフォルニアで経験を積んだパオロは「最も重要なのはサンジェヴェーゼ」と可能性を信じて、1976年にトスカーナに赴いた。25歳だった。
キアンティ・クラッシコの白ブドウのトレッビアーノの比率を下げた。その過程で、サンジョヴェーゼ100%のチェッパレッロが1980年に生まれた。アペラシオンから離脱したペルゴーレ・トルテに次ぐ、サンジョヴェーゼ100%のスーパータスカンだった。42haのうち最良の9区画から仕込んでいる。
マッサール・セレクションでクローン改良
ヘクタールあたり5800本の密植度で区画別に栽培した。土壌や地勢の多彩な畑の中の優れたブドウ樹にリボンをつけて選んで、マッサール・セレクション(集団選抜)を行った。サンジェヴェーゼの128クローンのうち28がここで選抜された。1980年代に区画地図を作成した。当時としては珍しい先進的な取り組みだった。
畑は海から80キロ。標高は350から500m。オレーナはガレストロ、イゾレはアルベレーゼ土壌。森に囲まれて涼しい。
「イゾレ・エ・オレーナ チェッパレッロ 2021」(Isole e Olena Cepparello 2021)はレッドチェリー、ブラッドオレンジ、生き生きした酸、きめ細かいタンニン、垂直的で引き締まっている。緊張感があり、フレッシュな余韻。クラシック。2万5000円。94点。
「イゾレ・エ・オレーナ チェッパレッロ 2019」(Isole e Olena Cepparello 2019)はダークチェリー、ザクロ、ラベンダー、タバコ、リッチな果実味がありしっかりした構造。深みがあり、バランスがとれている。2019年の温かさに包まれてエネルギーがあふれている。塩気を帯びたフィニッシュ。96点。
「イゾレ・エ・オレーナ チェッパレッロ 2015」(Isole e Olena Cepparello 2015)は雨が多く涼しかったヴィンテージ。スミレ、レッドチェリー、ガリーグ、ミント、シームレスで、タンニンはやや硬質だが時間をかけると優しい果実味と調和する。やや深みに欠けるが、優美でアプローチャブル。93点。
「イゾレ・エ・オレーナ キアンティ・クラッシコロ 2022」(Isole e Olena Chianti Classico 2022)はサンジョヴェーゼ90%、カナイオーロ10%。収穫期に雨が降り、程よい恐縮感、柔らかい口当たり、明るい果実味、ダークチェリー、プラム、スモーク、ローズマリー、生き生きとしていてデリケート。スモーキーなフィニッシュ。91点。
ここではシャルドネ100%のトスカーナIGTも造っている。使わなくなったトレッビアーノにシャルドネを接ぎ木して、ガレストロ土壌の石灰岩比率の高い場所で栽培している。
「イゾレ・エ・オレーナ シャルドネ・コレッツィオーネ・プリヴァータ 2022」(Isole e Olena Chardonnay Collezione Privata 2022)は熟した桃、パイナップル、アーモンド、リッチで力強い。トロピカルで洗練されている。すがすがしい酸がボディを引き締めている。1万6500円。92点。
パウロが引退してEPI傘下に入ってからは、チリの地質学者ペドロ・パラを雇って土壌分析をしている。1950年代まで主流だったテラスを復興させている。
輸入元はジェロボーム。
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