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グラヴナーやラディコンが広めたオレンジワイン発祥の地であるイタリア北部フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のコッリオDOCが、オレンジワインを原産地呼称の生産仕様に統合する。
オレンジワインはブドウの破砕後に、果汁と果皮を一定の期間、接触させてフェノールなどの香り成分を果汁に溶け込ませる。スキンコンタクトの時間に応じて、ピンク、オレンジ、琥珀の色調を帯びて、正統派の白ワインとは異なる香味やテクスチャーに仕上がる。
オレンジワインは先駆者のヨスコ・グラヴナーが1990年代にアンフォラを使って、土着品種のリヴォッラ・ジャラから造って注目を集めた。カステッラーダ、ダリオ・プリンチッチ、プリモシッチらが続き、自然派ワインの流れに乗って世界に広がった。
今回の規格は昨年12月に開かれたコッリオ・コンソーシアムの総会で決定された。白ブドウの果皮を果汁と接触させて造るオレンジワインをコッリオのワイン規格に組み込むことは2022年より前から議論され、2年間の作業を経て72%の賛成多数で承認された。
技術的な詳細は調整中だが、最短のマセラシオン期間は7日間で、揮発酸の最大レベルは赤ワインと同様に1リットルあたり20ミリ相当に設定される。世界で使用される色見本帳のパントン・スケールで、ワインを色ごとに客観的に分類して、色調もラベルに表示する。
ラベルの表記は国際的に認知されている「オレンジワイン」ではなく、マセレーションしたブドウから造られたワインを意味する言葉になる予定。
反対意見はあったが、スキンコンタクトによって造られるワインを世界に広める中でコッリオの果たした役割が大きく、産地の訪問者の関心もたかいことから、今回の動議が支持された。
正式な実施にはイアタリアの省庁とEUの承認などの手続きが費用で、最初のワインが登場するのは次のヴィンテージからになりそうだ。
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