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DRC解説本の著者、オランダのゲルト・クラムが死去

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  オランダで最も重要なワインジャーナリストの1人であるゲルト・クラム(Gert Crum)が19日、故郷のヒルフェルスムでがんのため亡くなった。75歳だった。2005年にオリジナル版が出版された『ル・ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ』の著者として知られる。


 1948年生まれ。1975年にアムステルダム自由大学を卒業し、アムステル大学で社会学者として講義した。ブルゴーニュのムルソーで立ち寄ったキャンプ場でワインと出会った。1985年に大学を辞めて、フルタイムのジャーナリストとなった。


 スペインやモルドバを探索し、1982年にはDRCの共同経営者だったラルー・ビーズ・ルロワ、英国のワインライター、ヒュー・ジョンソンと一緒にナパヴァレーを訪れた。その後、オーストラリア、チリ、アルゼンチン、南アフリカなど各国を取材して回った。


 長年にわたり、雑誌に多くの記事を書き、単独または共著者として約20冊の著書を執筆した。専門とする2つの産地を扱った『ル・ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ』(Le Domaine de la Romanee-Conti)と『シャンパーニュ ル・レヴェィユ・デ・テロワール』(Champagne, Le Reveil des Terroirs)は、高い評価を受けている。


 『ル・ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ』はオベール・ド・ヴィレーヌとの親交に基づく深みのある大著。英語、フランス語、ドイツ語、日本語に翻訳されて、国際的な賞を受賞した。歴史、テロワール、ワイン造りを豊富な写真とともに紹介している。


 日本では山本博さんの監訳により、2008年にワイン王国から出版された。ジャーナリスト必携の基本文献。DRCのオフィスのラウンジにも飾られている。


 長年、テイスティング、ワインアカデミーの講師、ワイン産地ツアーなども行い、オランダでのワイン知識の普及に貢献した。オランダでは数少ないフランス農事功労章を叙勲した。


 病床で最後までお気に入りのシャンパーニュとブルゴーニュを家族とシェアしていた。

 

病床でもシャンパーニュを楽しんだ 本人のFacebookから
DRCのラウンジ窓際に飾られたフランス版『ル・ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ』
オエール・ド・ヴィレーヌとロマネ・コンティの畑の前を歩く (C)Linda Driebergen  

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