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気候変動でシャンパーニュはベト病が5倍に増加……有機シャンパーニュ協会報告

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 気候変動に伴って、この12年間でベト病が5倍、霜は約3倍に増えたことがわかった。来日した「有機シャンパーニュ協会」(Association des Champagnes Biologiques=A.C.B.)が発表した。


 ACBはシャンパーニュでビオロジック(オーガニック)栽培を促進する生産者の団体。有機栽培は1970年にジャック・ボーフォールやジョルジュ・ラヴァルら7人の先駆的なグローワーが取り組んでいた。1998年に協会が創設され、2022年時点で167人の生産者と醸造所が加盟している。


 冷涼で多湿なシャンパーニュ地方で有機栽培するのは容易ではないが、少しずつ増加している。ACBによると624ドメーヌがビオに取り組んでいる。これは地方全体の5.1%。転換中を含む2672haが有機栽培され、これは地方全体の栽培面積の7.9%を占めている。


 ACBが東京で行ったマスタークラスでは、リセのオリヴィエ・オリオが、シャンパーニュ委員会の2012-2021年のデータに基づいて、12年間で25%の損失を被ったという気候変動の影響を発表した。


 べと病は平均4.9%から最大で25%(2021年)と5倍に増えた。うどんこ病は平均0.8%から最大で2%(2021年)に増加した。


 霜については平均で8.2%のダメージだったのが、2021年は最大で30%のダメージとなっている。温暖化で生育が早くなれば霜害のリスクは増す。


 過度の熱でブドウが日焼けするエショダージュ(Echaudage)による損害は、平均2.8%から最大で11%(2019年)に増えている。エショダージュが増えると、ブドウの厳しい選別が必要となり、収量が下がる。


 気候変動がブドウの健康や生育に大きなインパクトを与えていることが浮き彫りになった。

 

エショダージュのダメージが増えている (C)Union des Maisons de Champagne
上から霜、雹、エショダージュ、べと病、うどんこ病、灰カビ
来日したACBのメンバーら

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