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シチリアのエトナを開拓し、世界に広めたベナンティのジュゼッペ・ベナンティ(Giuseppe Benanti)が1日、亡くなった。78歳だった。
ベナンティは19世紀末に祖父がワイン造りを始めた。ジュゼッペは製薬企業の経営者として成功していた。1988年に畑を買い戻し、エトナ山の土壌や栽培、クローンの研究を行い、1968年にDOC認定されたエトナ復興の原動力となった。
エトナ山の北側のカスティリオーネ・ディ・シチリアを拠点に、テヌータ・ディ・カスティリオーネを設立。若き日のサルヴォ・フォーティをワインメーカーに起用して、火山岩土壌の標高の高い斜面で自根を含む高樹齢の樹をオーガニックで栽培。野生酵母で発酵させ、クラシックなエトナワインを造った。
シチリアはかつてはイタリア北部向けのバルクワインの供給地で、1990年代は国際品種の需要が高まっていた。ジュゼッペはカリカンテ、ミンネッラ、ネレッロ・マスカレーゼ、ネレッロ・カップッチョなど土着品種にこだわり、守り続けた。。
ガンベロ・ロッソのワイナリー・オブ・ザ・イヤーを2007年に受賞し、エトナに世界の注目を集め、スポークスマンの役割を果たした。赤ワインでは、ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カップッチョに固執したが、グラーチやジローラモ・ルッソら新世代の造り手たちのエレガントなワインにも寛容だった。
2021年に双子の息子アントニオとサルヴィーノに経営を譲った。息子たちは株式の40%をアパレルブランドのディーゼルに売却した。
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