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世界のブドウ畑の6.2%で有機栽培、年平均で13%の伸び

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 世界中で有機ブドウ栽培が広がり、オーガニック・ヴィンヤードの面積が45万haに到達した。世界のブドウ畑の6.2%で有機栽培が行われている。


 OIVは2005年から2019年までに世界で認証された有機ブドウ畑の面積を調査した。最近のレポートによると、有機栽培への転換率は、21世紀に入って大幅に増加し、2005年以降は年平均13%の伸び。同じ期間内に非有機栽培のブドウ畑面積は年平均0.4%減少している。


 2019年には計63か国で有機栽培が行われている。認定された有機栽培のブドウ畑の面積は45万4000haと推定され、世界のブドウ栽培面積の6.2%を占めている。


 世界最大のワイン生産国であるスペイン、フランス、イタリアの3か国が、世界の有機栽培面積の75%を占めている。上位10か国で世界の91%を占めている。ブドウ畑の栽培面積が広いヨーロッパの国々が上位を占めている。

 

スペイン、フランス、イタリアが上位3か国

 

 スペインは、カスティーリャ・ラ・マンチャ、カタルーニャ、バレンシアなどを中心に、世界の有機栽培面積の27%を占める。


 続くフランスは世界の有機栽培面積の25%を占める。オーガニックワインの平均輸出量は40%で、国内需要に支えられている。有機栽培のブドウ畑は地中海沿岸地域を中心に広がっている。


 これに関連して、ボルドーワイン委員会(CIVB)はサステイナビリティを目指して、オーガニック栽培の導入が増加していると発表した。アジャンス・ビオの数字に基づくと、2020年にボルドーのブドウ畑のうち有機認証を取得しているか、転換中の土地は43%増加し、1万9952haになるという。


 イタリアは世界全体の24%を占め、シチリア、プーリア、トスカーナが主な産地。フランスと対照的に、オーガニックワインの約85%が輸出されている。


 トップ3に続いて、アメリカ(4%)、トルコ(3%)中国(3%)ドイツ(2%)、オーストリア(1%)ギリシャ(1%)、アルゼンチン(1%)となっている。


 レポートは、20世紀末から上昇傾向にある有機栽培のブドウ畑の拡大は、「社会的な問題、特に消費者の健康や環境保護に関連していることが大きな要因」と説明している。


 ただ、この傾向は変動する可能性もある。


 「有機栽培に切り替える作業は複雑で、かなりの適応力が必要となる。気象や構造的・組織的な問題により、生産者が有機栽培の認証を放棄し、その結果、有機栽培のブドウ畑の面積が局所的に減少することもある。一般的に収量が低いため、ラベルや認証を取りやめる理由にもなる」など、障害となる要因を指摘している。

シャトー・ラグランジュがビオディナミに取り組む畑 (C)Chateau Lagrange

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