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ヌーベル・キュイジーヌの旗手、伝説的な料理人ピエール・トロワグロが死去

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 フランスのヌーベル・キュイジーヌ確立に貢献し、半世紀以上にわたり家族で3つ星を維持し続けた伝説的な料理人ピエール・トロワグロが23日、自宅で亡くなった。92歳だった。「ラ・メゾン・トロワグロ」が発表した。

 

 ピエール・トロワグロは1928年生まれ。10代で兄のジャンとともに、パリの「ルカ・キャルトン」で修行した。そこで会ったポール・ボキューズと親交を深め、3人はヴィエンヌの「ラ・ピラミッド」で伝説的なフェルナン・ポワンの薫陶を受けた。


 ピエールとジャン兄弟はフランス中部オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域圏のロアンヌにある両親のレストランを継承し、1955年に1つ星を獲得した。「レ・フレール・トロワグロ」(Les Freres Troisgros)と改称したレストランは68年に3つ星に昇格。72年にはゴー・ミヨ誌から「世界最高のレストラン」と称賛された。


 脂の乗ったサーモンとフレッシュなハーブを使ったサーモンのオゼイユソースはスペシャリテとして名高い料理だった。


 ジャンは83年に心臓麻痺で急死したが、ピエールは次男のミシェルとともに働き、3つ星を維持し続けた。ミシェルの料理はイタリアと日本から影響を受けたモダンなスタイルに変わったが、ロアンヌからウーシュに移転した「ラ・メゾン・トロワグロ」は美食の殿堂として、世界中からグルマンが訪れている。


 ピエールは現役時代から日本の料理や文化に関心が高かった。ミシェルは2006年にハイアット・リージェンシー東京(東京・新宿)内に「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」を監修する形で開店したが、2019年末に閉店した。レストランの初代料理長は2つ星「エスキス」(東京・銀座)のリオネル・ベカだった。


 ミシュランガイドはピエールを「料理に革命を与えたボキューズと並ぶ巨人」と追悼し、「彼の名前は明るく輝き続ける」とコメントした。


 フランス料理界では近年、歴史を作ってきた偉大な料理人が相次いで亡くなっている。ピエールと70年来の付き合いがあり、一緒にヌーヴェル・キュイジーヌを確立した料理人ポール・ボキューズは2018年に91歳で亡くなった。2018年には、20世紀最高の料理人とうたわれて30以上の星を有したジョエル・ロブションも73歳で亡くなった。

 

ポール・ボキューズ・レストランが追悼コメントとともに投稿した画像 Twitter@PaulBocuse

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