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スペイン・ペネデスの9つのスパークリングワイン生産者が、カバDOから離脱して、「Corpinnat」(コルピナット)という新たなラベル表示で生産に乗り出す。
9生産者は、グラモナ、レカレド、トレジョ、リョパール、ナダル、サバテ・イ・コカ、マス・カンディ、ウゲット・カン・フェイセス、フリア・ヴェルネット。このうち6生産者が厳格にテロワールを表現するカバを、ペネデスでオーガニックにより生産する狙いで集まり、Corpinnatを結成した。2018年秋に、ウゲット・カン・フェイセス、フリア・ヴェルネット、マス・カンディが加わった。
Corpinnatはカバを世界で最高のスパークリングワインにすべく、高品質スパークリング造りのガイドラインを定めて推進してきた。カバの規制団体と1月末まで規則について議論してきたが合意に至らず、DOカバから離れることを発表した。
Corpinnatの主眼は、現行のように広い地域ではなくペネデスだけからワインを造ること。ワイン造りの規則は厳しい。すべてのブドウはDOペネデス域内から調達され、うち75%はワイナリーが所有しなければならない。農家から購入したブドウの最低価格はキロ当たり0.7ユーロ以上(ペネデスの平均価格は0.4ユーロ)。ブドウは100%オーガニックで手摘み。90%以上は土着品種。ワイナリーでの醸造、最低18か月間の熟成(30か月以上、60か月以上のワインもある)などを定めている。
大手のフレシネ、コドルニウ、ガルシア・カリオンが80-90%を占めるカバ市場において、9生産者の生産量は1%しかないが、グラン・レセルバの30%を占め、特級に相当する13の単一畑カバ・デ・パラヘ・カリフィカード(Cava de Paraje Calificado)のうち6つを所有している。影響は大きい。Corpinnatは2017年にカタルーニャ政府とEUから知的所有権を認められた。最初のボトルはこの春に発売される。
カバでは2012年にラベントス・イ・ブランがDOカバを離脱した。カバの95%はペネデス周辺から生産されているが、産地を指すワインではなく、生産手法を指している。カバの規制団体はパラヘ・カリフィカードの新設などで、意欲的な生産者をつなぎ止めようとしてきたが、物別れに終わった。
小規模のカバ生産者がテロワール、オーガニック、自社畑、土着品種、厳格な醸造などにこだわって、規制の枠組みから抜けるのは、シャンパーニュで大手メゾンにブドウを供給してきた栽培農家が自家元詰によって、畑の個性を表現し、造り手としてのアイデンティティを確立しようとする動きと似ている。ペネデスのカバ産地としてのポテンシャルは高いが、大手メゾンが幅をきかせて、現行のルール下では国際的に通用するスパークリングワインができない。そうした不満を持つ生産者たちが高品質を目指して立ち上がったと言えよう。
歴史的に見ると、キアンティの規則に対して反乱を興したところに生まれたスーパータスカン、INAOの規則への不満からヴァン・ド・ターブルを生産したフランスの自然派生産者など、類似した例はいくつもある。
9生産者は、グラモナ、レカレド、トレジョ、リョパール、ナダル、サバテ・イ・コカ、マス・カンディ、ウゲット・カン・フェイセス、フリア・ヴェルネット。このうち6生産者が厳格にテロワールを表現するカバを、ペネデスでオーガニックにより生産する狙いで集まり、Corpinnatを結成した。2018年秋に、ウゲット・カン・フェイセス、フリア・ヴェルネット、マス・カンディが加わった。
Corpinnatはカバを世界で最高のスパークリングワインにすべく、高品質スパークリング造りのガイドラインを定めて推進してきた。カバの規制団体と1月末まで規則について議論してきたが合意に至らず、DOカバから離れることを発表した。
Corpinnatの主眼は、現行のように広い地域ではなくペネデスだけからワインを造ること。ワイン造りの規則は厳しい。すべてのブドウはDOペネデス域内から調達され、うち75%はワイナリーが所有しなければならない。農家から購入したブドウの最低価格はキロ当たり0.7ユーロ以上(ペネデスの平均価格は0.4ユーロ)。ブドウは100%オーガニックで手摘み。90%以上は土着品種。ワイナリーでの醸造、最低18か月間の熟成(30か月以上、60か月以上のワインもある)などを定めている。
大手のフレシネ、コドルニウ、ガルシア・カリオンが80-90%を占めるカバ市場において、9生産者の生産量は1%しかないが、グラン・レセルバの30%を占め、特級に相当する13の単一畑カバ・デ・パラヘ・カリフィカード(Cava de Paraje Calificado)のうち6つを所有している。影響は大きい。Corpinnatは2017年にカタルーニャ政府とEUから知的所有権を認められた。最初のボトルはこの春に発売される。
カバでは2012年にラベントス・イ・ブランがDOカバを離脱した。カバの95%はペネデス周辺から生産されているが、産地を指すワインではなく、生産手法を指している。カバの規制団体はパラヘ・カリフィカードの新設などで、意欲的な生産者をつなぎ止めようとしてきたが、物別れに終わった。
小規模のカバ生産者がテロワール、オーガニック、自社畑、土着品種、厳格な醸造などにこだわって、規制の枠組みから抜けるのは、シャンパーニュで大手メゾンにブドウを供給してきた栽培農家が自家元詰によって、畑の個性を表現し、造り手としてのアイデンティティを確立しようとする動きと似ている。ペネデスのカバ産地としてのポテンシャルは高いが、大手メゾンが幅をきかせて、現行のルール下では国際的に通用するスパークリングワインができない。そうした不満を持つ生産者たちが高品質を目指して立ち上がったと言えよう。
歴史的に見ると、キアンティの規則に対して反乱を興したところに生まれたスーパータスカン、INAOの規則への不満からヴァン・ド・ターブルを生産したフランスの自然派生産者など、類似した例はいくつもある。
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