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初心者がどこの国からワインの門をくぐるか。
先日も高校の同級生と数十年ぶりに同窓会で会って、オススメの銘柄を訊かれて考え込んだ。ワインをたしなみたい人にとって大切なのは価格と味わいである。
値段は3000円程度。味わいは豊かな果実味となめらかな質感。産地はさほど重要ではない。これは仕事も年齢も異なる多くの人々と話して得た実感である。
1つの回答はチリワインである。ワンコインワインではない。チリの赤が1990年代後半に裾野を広げたのは認めるが、リピートしたくなるワインは少なかった。
ラベルとブレンドをリニューアルしたモンテスは、幅広い層を満足させられるワイナリーだ。創業は1988年。デイリーワインから始めて、品質と認知度を上げた。階段を少しづつ上がり、世界から評価されるプレミアムワインを生み出した。
「痩せた土壌」を意味するアパルタに拠点を置いて、砂と粘土からなる沖積土壌と急斜面の花崗岩土壌から、収量を抑えながら完熟したブドウの生産に成功した。2018年に訪問して畑と小高い丘を歩いた。やせた土地に灌木が茂り、荒廃した北部ローヌの趣だった。
持続可能性を評価するBコーポレーションの認証も取得している。環境、従業員、コミュニティなどを評価するBコープ認証を取得しているチリの企業は多い。
主力のモンテス・アルファのカベルネ・ソーヴィニヨンはカベルネを知る入門編に適している。リニューアルされたキュヴェはカベルネ・フラン8.5%とプティ・ヴェルド3.5%をブレンドし、ぬけがよくなった。
「モンテス・アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン 2023」(Montes Alpha Cabernet Sauvignon 2023)はなめらかな口当たり、ヴァニラ、ダークベリー、ハーブ、しなやかなタンニン、甘みのない果実味、コクがあり、風味が豊か。手摘みして手で選果し、12か月の樽熟成。3000円。89点。
「モンテス・アルファ M 2021」(Montes Alpha M 2021)はコルチャグア・ヴァレーの斜面上部のフィンカ・アパルタ・エステートから。カベルネ・ソーヴィニヨン80%、カベルネ・フラン10%、メルロー5%、プティ・ヴェルド5%。芳醇でダークチェリー、プラム、杉、ドライハーブ、濃厚な味わい、骨太で、しっかりした構造。果実味は豊かで、精緻なフィニッシュ。1万5000円。92点。
「モンテス ミューズ カベルネ・ソーヴィニヨン 2021」(Montes Muse Cabernet Sauvignon 2021)はラ・プラス・ド・ボルドーで取引されるフラッグシップ。アルマヴィーヴァやセーニャを産する"南米のボルドー"アルト・マイポから産する。カベルネ・ソーヴィニヨン95%、カベルネ・フラン2%、プティ・ヴェルド2%。デビューは2019年。ブラックベリー、カシス、エスプレッソ、ミント、ジューシーで活力がある。濃厚な果実味、標高の高さからくる生き生きした酸、調和がとれてバランスがいい。表現力が豊かで重くはない。余韻に黒鉛とコーヒー。2万2000円。94点。
すべてのワインのアルコール度は14.5%。
ボルドーの価格が高くなり始めた15年以上前、あるインポーター幹部から聴いた言葉を覚えている。
「今の若手社員は高いボルドーに手が出ない。モンテスのボルドー・ブレンドから始めるのです」
自分で飲んで確かめてはいかが。
輸入元はエノテカ。
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