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寿司と美しいペアリング、ザンダー・ソーレン・ワインズの白ワインがデビュー

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 ブルゴーニュ品種で世界の舞台に躍り出る造り手の多くは、ワイン・アドヴォケイトかヴィノスの門を通過している。ジャスパー・モリスやアレン・メドウズら専門家のウェブサイトもあるが、両者の層の厚いレビュワーがもたらす影響力はずば抜けている。ブルゴーニュ担当者がボルドーなどほかの産地にも通じる専門知識があり、多面的な評価能力を備えている。


 アップルの音楽分野を支えた元幹部がブルゴーニュ品種と和食に惚れ込んで始めた「ザンダー・ソーレン・ワインズ」は、両方のサイトでは紹介されていない。少量生産で日本市場に優先的に供給されてきたからだ。ワイン・アドヴォケイトもヴィノスも米国で購入しやすいワインを紹介している。


繊細で精妙、緊張感の走るシャルドネ


 日本の愛好家にはラッキーだった。ザンダーが和食を含む日本文化とワインの相性を追求してきたこだわりが反映されている。ピノ・ノワールを先行して造ってきた彼が、初めて仕込んだ2種のシャルドネがリリースされた。いずれも繊細で精妙。太平洋からの涼しい風と潮の飛沫を感じさせる緊張感の走るワインだった。


 「ザンダー・ソーレン・ワインズ シャルドネ サンタ・バーバラ・カウンティ 2024」(Xander Soren Wines Chardonnay Santa Barbara County 2024)は青りんご、ユズ、柑橘、濡れた石、ヨード、デリケートで引き締まっている。線が細く軽やか、筋の通ったミネラル感に貫かれている。ほろ苦みを帯びた余韻。新樽10%。すがすがしい。125ケース生産。新樽10%。9000円。92点。


 「ザンダー・ソーレン・ワインズ シャルドネ ハバリ サンタ・リタ・ヒルズ 2024」(Xander Soren Wines Chardonnay Habari Sta. Rita Hills 2024)はゆずの皮、青りんご、白桃、フリンティで鮮やかな酸、明るい果実味、抑制されている。シャブリを連想させる砕いた石のミネラル感、麦わら、カキ殻、緊張感の持続するフィニッシュ。リチャード・サンフォードが1983年に植えたエル・ハバリ・ヴィンヤードの古樹。ノンマロ。50ケース。1万6000円。94点。


 元音楽家のシャリニ・シェカール(Shalini Sekhar)はソノマの伝説的なピノ・ノワール生産者ウィリアムズ・セリエム、サンタ・ルチア・ハイランズのロアーなどで経験を積んだ。人脈を生かしてセントラル・コーストやソノマ・コーストの冷涼な畑から調達。果実味を前面に出さない穏やかな抽出でピノ・ノワールを造っている。


 ポピュラーな「ザンダー・ソーレン・ワインズ ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2022」(Xander Soren Wines Pinot Noir Sonoma Coast 2022)はクランベリー、ワイルドベリー、フレッシュなハーブ、ジューシーな果実味、程よく凝縮して洗練されている。はつらつとした酸味、軽やかでフィネスがある。アルコール度は12.6%。9000円。93点。


 ロシアン・リヴァー・ヴァレーのピノ・ノワールは内陸に入っているためやや温かく、果実味がふくよか。


 「ザンダー・ソーレン・ワインズ ピノ・ノワール オリヴェット・レーン・ヴィンヤード ロシアン・リヴァー・ヴァレー 2020」(Xander Soren Wines Pinot Noir Olivet Lane Vineyard Russian River Valley 2020)はウィリアムズ・セリエムが有名にした畑。ダークラズベリー、ザクロ、オレンジの皮、厚みのある果実味、熟したタンニン、しっかりした構造があり、余韻は長い。13.9%。100ケース。1万6000円。92点。 

 

「ザンダー・ソーレン・ワインズ ピノ・ノワール ユーキ・ヴィンヤード ウエスト・ソノマ・コースト 2021」(Xander Soren Wines Pinot Noir Yuki Vineyard West Sonoma Coast 2021)はオクシデンタルのアキコ・フリーマンが所有する畑から調達している。レットヂェリー、ワイルドベリー、バラの花弁、ふくよかなタンニン、なめらかでしっかりした骨格。おおらかでスパイシー。65ケース。1万6000円。92点。


エレガンス際立つサンタ・バーバラ・カウンティのピノ・ノワール


 ザンダーのピノ・ノワールでエレガンスが際立っているのは、セントラル・コーストより南の冷涼な産地のブドウで造られるワインだ。


 「ザンダー・ソーレン・ワインズ ピノ・ノワール サンタ・バーバラ・カウンティ 2021」(Xander Soren Wines Pinot Noir Santa Barbara County 2021)は複数の畑のブレンド。柔らかい口当たり、ラズベリー、ブラッドオレンジ、スミレ、鮮やかな酸味と純粋な果実味が美しく調和している。ミッドパレットは厚く、コアにたっぷりしたエキスを秘めている。輪郭がはっきりしていて優雅。13.5%。150ケース。9000円。95点。


 「ザンダー・ソーレン・ワインズ ピノ・ノワール ルデオン セントラル・コースト 2021」(Xander Soren Wines Pinot Noir Ludeon Central Coast 2021)はサンフォード&ベネディクトなど3つの畑をブレンドしてコ・フェルメント(混醸)。レッドチェリー、オレンジの花、バラの花弁に優しく包まれる。ふくよかな果実味、濃厚で骨格はしっかりしている。グリップのあるフィニッシュ。サンタ・バーバラ・カウンティがシャンボール・ミュジニー的なら、こちらはモレ・サン・ドニ的。13.5%。125ケース。3万円。95点。


 「ザンダー・ソーレン・ワインズ ピノ・ノワール セントラル・コースト 2012」(Xander Soren Wines Pinot Noir Central Coast 2012)はザンダーが300本造ったデビュー・ヴィンテージ。湿った土、落ち葉、ジューシーで凝縮度は控えめ。繊細でなめらか、酸と果実味がきれいに統合されている。うまみを帯びた余韻が長い。原点が垣間見える。93点。


 アンリ・ジャイエと寿司の相性に感激して、日本食の繊細な味わいと調和するワイン造りに乗り出したザンダー。好きな赤ワインはジャイエ、バルトロ・マスカレッロ、マッセート。時間をかけてしっかりと進歩してきた歩みが伝わってきた。


 輸入元は布袋ワイン。

ハバリ・シャルドネ(左)
宮城・塩竈 本鮪大トロ
サンタ・バーバラ・ピノ・ノワール似合わせた千葉・船津の穴子
ルデオンに合わせた宮城・仙台牛・高知・花山椒

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