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フランスを公式訪問中のチャールズ国王に対して、マクロン大統領は国王の誕生年に敬意を表して、1948年のシャンパーニュ・サロンを贈った。
サロンは125年間で44ヴィンテージをリリースした。1948年もその1つ。当主のディディエ・ドゥポンによると、セラーには9本が残されていた。ディディエは2回しか味わったことがない。国王に贈呈するため、2023年9月に特別にデゴルジュしたのが最後だ。
保存状態は例外的に良好で、生き生きとしていて、砂糖漬けの果物やハチミツの香りがあるという。糖度と酸のバランスに優れていた。ドザージュはしなかった。
1948年は称賛された1947と1949年にはさまれたヴィンテージ。雹が降り、収量が減った。9月20日から収穫が始まった。創業者ウジェーヌ・エメ・サロンがメニルで初期に選んだ20区画が含まれている。その1つは後に、サロンのクロ・デュ・メニルとなったクロ・タラン。
英国王室は約2世紀前にヴィクトリア女王が式典でシャンパーニュを提供する習慣を確立して以来、シャンパーニュと密接な関係にある。
マクロン大統領が英国国王にサロンを公式な贈り物として贈ったことは、シャンパーニュがフランスの文化を代表するワインであると改めて認めたことを意味する。ドゥポン社長は「サロン1948が、チャールズ3世国王への公式な贈り物として選ばれたことをとても誇りに思います」とコメント。
1948はフランス全土で難しかった年で、マイケル・ブロードベントもこの年のボルドー赤に5つ星評価で3つ星を与えている。マクロン大統領はシャンパーニュの熟成能力を信じたようだ。
エリゼ宮の酒庫にはサロンが保管されているが、開けられるのは少人数のイベントの場合だけだという。
晩餐会では3つ星シェフによるディナー
サー・ウィンストン・チャーチルやムートン・ロートシルト
チャールズ国王は飛行機でパリに着いた20日、ベルサイユ宮殿の鏡の間で、マクロン大統領主催の公式晩さん会に出席した。LVMHのベルナール・アルノー、ローリング・ストーンズのミック・ジャガー、俳優のヒュー・グラント、シャルロット・ゲンズブール、文化人、スポーツ選手ら150人のゲストが出席した。
現地報道によると、ポル・ロジェのキュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2013、オリヴィエ・ルフレーヴのバタール・モンラッシェ2018マグナム、シャトー・ムートン・ロートシルト2004のダブルマグナムが供されたという。
シャンパーニュは英国の宰相ウィンストン・チャーチルに捧げたキュヴェ。ムートン2004はチャールズ国王の水彩画をアーティスト・ラベルを使っている。国王への配慮がうかがえるワイン選びだ。
料理はミシュラン3つ星シェフのヤニック・アレノ、アンヌ・ソフィー・ピック、パティシエのピエール・エルメらが考案して腕をふるった。
ピックのブレス鶏とポルチーニのグラタン、アレノのオマールとクラブケーキ、デザートの前にエルメがデザインしたイスパハン・マカロンが出てきて、30か月熟成のコンテなどフランス産2種と英国産1種の3種のチーズで締めくくった。
国王夫妻は3月にパリとボルドーを訪問する予定だったが、フランス政府の年金改革を巡るデモが暴動化したため、訪問は延期されていた。
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