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ボルドー・メドックの巨匠、ジャン・ミッシェル・カーズが88歳で死去

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 ボルドー・メドックのアンバサダーとして地域の産業を活性化し、ワイン観光の先鞭をつけたシャトー・ランシュ・バージュの先代当主ジャン・ミッシェル・カーズが28日、亡くなった。88歳だった。


 カーズは1935年生まれ。米テキサス大学で石油工学の修士号を取得した後、フランスIBMのセールス・マネージャーになった。1973年、呼び戻されてポイヤックに戻り、時代遅れとなっていたシャトー・ランシュ・バージュを再生した。


 サン・テステフのシャトー・レゾルム・ド・ペズ、ポイヤックのシャトー・オー・バタイエの品質を引き上げ、ミッシエル・リンチの販売会社JMカーズ・セレクションも成功させた。シャトーヌフ・デュ・パプのドメーヌ・デ・セネショー、ミネルヴォワのドメーヌ・ド・ロスタル・カーズ、ポルトガル・ドウロのロケット・カーズ、オーストラリアのタパナッパも所有する。


 フランスの大手保険会社AVAのワイン事業の責任者としても活躍した。シャトー・ピション・ロングヴィル・バロンの改革に携わり、ソーテルヌのシャトー・スデュイローやポートのキンタ・ド・ノヴァルなど、各地のワイナリーを成功させるのに貢献した。


 一方、ポイヤック・ワイン生産者組合、メドック・ワイン協議会、ボンタン騎士団などの会長を務めて、世界を飛び回り、米国やアジア市場を開拓した。


 また、メドックで最も豪華なホテルの1つ「コルディヤン・バージュ」の開業を主導した。2000年代初頭には、バージュ村にビストロや高級ブティックを開業して、ボルドーのワイン観光の先駆となった。


 2002年にはレジオン・ドヌール勲章を受章し、2003年には英国デキャンター誌からマン・オブ・ザ・イヤーに選出された。現在は長男のジャン・シャルル・カーズがグループを率いて、ランシュ・バージュを超近代的なシャトーに刷新した。

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