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酒類総合研究所は、ワインの上級資格を目指す愛好家やワイン造りのプロに向けて、ワイン用ブドウ栽培の手引きとなる「ブドウ栽培」(VITICULTURE)を販売している。大橋健一MWがマスター・オブ・ワインを受験する際に繰り返して読んだ重要な”教科書”でもある。
「ブドウ栽培」は」英国のブドウ栽培専門家スティーブン・スケルトンMWの著書。スケルトンMWは1975年からブドウ栽培とワイン醸造に携わり、数々の受賞本や「ワールド・アトラス・オブ・ワイン」の執筆で知られ、イングリッシュワインの発展にも貢献している。
今回の本はブドウ樹の生理、クローン、土壌、仕立て、灌漑、醸造など、ブドウ栽培の全プロセスを詳細にまとめている。WSETディプロマ・コースの推薦書になっていて、マスター・オブ・ワインの受験生必携の教科書でもある。
大橋MWが受験勉強する際は、栽培を学ぶため、なめるように読んだという。英国在住のミヨコ・スティーブンソンさんの翻訳による日本語版が出版されたことで、日本人には敷居が低くなった。
「資格を目指す人間には栽培を学ぶ教科書であり、実際にワインを造るブドウ栽培家は、世界の事例を知って応用することができる」と大橋MWは推薦している。
独立行政法人の酒類総合研究所は酒類の研究機関。「ワイン製造の基本 小規模ワイナリーのための製造技術」も出版している。こちらはイスラエルのヤイル・マーガリット博士が、現場に即したワイン醸造を総合的にまとめた。技術の変化に合わせて更新した第3版。
フェノール化合物、マイクロオキシジェネーション、ワインの欠陥、官能評価、添加物なども盛り込まれ、ソムリエや販売業者が試飲する際の様々な疑問に応える内容となっている。
マーガリット博士とはエルサレムで、イスラエル初のマスター・オブ・ワインとなったエラン・ピックMWらを交えて飲食し、自宅でティエリー・アルマンをブラインド・テイスティングした思い出がある。MWを指導する専門家だが、気さくな愛好家でもある。
「ブドウ栽培」は2800円、「ワイン製造の基本 小規模ワイナリーのための製造技術」は3670円。問い合わせは酒類総合研究所(082-420-0800)。
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