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ドメーヌ・デュ・コント・リジェ・ベレールが、2020ヴィンテージをNFT(Non-fungible token)を利用する新しいプラットフォーム「Wokenwine」(ウォーケンワイン)で販売する。
NFTは「代えのきかないしるし」の略。ブロックチェーンを使って本物の証明をつけたデジタル資産をさす。ブロックチェーンは取引データを複数のコンピューターの暗号技術を組み合わせて鎖のようにつなぐ仕組み。主に暗号資産を使って売買され、取引の記録が残される。
NFT技術を使って、ネットで公開した絵画や音楽などデジタルアートが高値で取り引きされて、話題を集めている。ミレニアル世代の関心が高い。
ペンフォールズは昨年、「マギル・セラー 3 カベルネ・シラーズ」をNFT市場限定で発売した。ロバート・モンダヴィもト・カロン・ヴィンヤードからリモージュの特製磁器に詰めた1.5リットルのワインボトルを売り出した。
高級ワインはオークションやワインショップなどで国境を超えて取り引きされているが、偽造ワインのリスクがつきまとっている。真贋鑑定は専門知識のある鑑定家に委ねられるが、人数は少ない。偽造の手口も巧妙化している。
そのため、ボルドーに代表される高級ワイン生産者は真正性を保証するプルーフタグや取り引き履歴を追跡できるICチップなどをボトルに貼ってきた。ドメーヌ・ルフレーヴもライブラリーワインのレイト・リリースボトルをロウ封しプルーフタグを貼っている。
生産者から輸出業者などを通じて販売店までの流通過程にブロックチェーンを適用するNFTは、真正性を保つ偽造ワイン対策として注目されている。
ドリンクス・ビジネスによると、ルイ・ミシェル・リジェ・ベレールは6月にスタートするNFTとワインを組み合わせる「Wokenwine」で2020ヴィンテージを販売する。ボトルにNFTを関連付けることで、ワイン購入者が安心できるようになると説明している。
このプラットフォームのヴァレリー・リュクスCEOは、25年以上の取引と販売の経験を持ち、ウォーケンワインの目的を「ワイン農園に力を取り戻すこと」と語っている。
リジェ・ベレールは「オンライン・オークション会社が、私たちの生産したワインの鑑定を許可しておきながら、販売者の匿名性を確保するためにボトル番号や顧客名などのオリジンをを組織的に削っているのは受け入れがたい」と語り、ワインを認証し、流通経路を保証するウォーケンワインと提携したという。
起業家からNFTのソリューションを使いたいという勧誘をたくさん受けたが、ウォーケンワインがワイン愛好家によって設立され、投機目的でない点に共感したという。
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