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2021プリムールで熱を帯びるボルドーで、大物の人事が明らかになった。LVMHのワイン部門モエ・ヘネシーやラフィット・ロートシルト擁するDBR(ラフィット)でプレジデントを務めた有能な経営者ジャン・ギョーム・プラッツが、スーパーセカンドのシャトー・レオヴィル・ラス・カーズを有するドメーヌ・ドゥロンの副社長に就任する。
プラッツはネゴシアン一族の出身だが、ビジネス・スクールで学んだエリート。ワイン業界のトップ企業を渡り歩いて、成功を収めてきた。ドメーヌ・ドゥロンはレオヴィル・ラス・カーズ、クロ・デュ・マルキ、ネナン、ポタンサックを所有する。
4月25日からドメーヌの副社長に就任する。ジャン・ユベール・ドゥロンは、自分の子どもたちが家族ビジネスを継承するのを手助けする役割をプラッツに期待している。プラッツ家とドゥロン家は長年にわたり交流がある。
プラッツはコス・デストゥルネルとラフィット・ロートシルトを経営してきた経験に基づいて、デュロンと共に1級に迫る品質のレオヴィル・ラス・カーズとほかのシャトーの成長戦略を指揮する。
トップ企業を渡り歩いたエリート
プラッツはネゴシアンのフェルナンド・ジネステのひ孫。パリのヨーロピアン・ビジネス・スクールとハーバード・ビジネス・スクールで学んだ。ミシェル・レイビエが2000年に、コス・デストゥルネルを買収した際に要請されて、30歳を切る若さでシャトーの支配人となった。
最先端の醸造設備を導入して、コス・デストゥルネルの品質と価格を高めた後、2013年にモエ・ヘネシーのプレジデントに就任。中国のグランヴァンと呼ばれる「アオ・ユン」プロジェクトを成功させた。
2018年、1級シャトーの頂点に立つラフィット・ロートシルトの持株会社ドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルド(ラフィット)のクリストフ・サランの後任として、プレジデント兼CEOに就任した。
DBR(ラフィット)では、オーナーのチェアマン、サスキア・ド・ロスチャイルドの下で、ラフィットのセラー刷新などのプロジェクトに取り組み、保守的だったラフィットのイメージを変え、アルゼンチン、チリ、中国のプロジェクトに力を注いできた
サスキアが2021年11月にCEOとなり、経営を直接に指揮する立場になることを発表して、プラッツは退任した。
30代のサスキアは学生時代には畑で働くアルバイトをし、栽培・醸造も修めた。プラッツは「ワイン造りを最もよく知っているシャトーのオーナー」と彼女を評していた。
サスキアとプラッツの間に何があったのかはわからないが、プラッツの経営者としての才能には疑いがない。ラトゥールに接するレオヴィル・ラス・カーズや、ポムロールのネナンの品質がさらに上がるのは間違いない。
プラッツの着任に伴って、ドメーヌ・ドゥロン支配人だったピエール・グラフュイユはシャトー・モンローズの副支配人に移籍する。
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