レオナルド・ディカプリオ、シャンパーニュのテルモンの一部株式を取得

　オスカー受賞俳優のレオナルド・ディカプリオが、シャンパーニュのメゾン・テルモンの株式を取得した。テルモンの親会社レミー・コアントローが発表した。

　テルモンは1912年創業。ヴァレ・ド・ラ・マルヌのダムリーに本拠を置く。フランスの飲料企業レミー・コアントローが2020年10月に株式の過半数を取得した。

　サステイナビリティを重視している。ギフトボックスの廃止、リサイクル素材を使ったグリーンボトル、航空貨物を使わない輸送などに乗り出している。オーガニックの栽培面積が4%にとどまるシャンパーニュ地方で、2025年までに自社畑を100%有機栽培に転換し、2031年までに提携農家の転換を目標としている。

　ディカプリオは気候変動を憂慮し、1998年から自身の財団を率いて環境保護の活動をしている。車もエコカーのプリウスやテスラを乗り継いできた。今回の投資は”お仕事”ではなく、テルモンのビジョンに賛同したからだ。

　「テルモンは、パートナーのワイン生産者と共に、100%オーガニックのシャンパーニュの生産を目指し、今後数年間で完全に持続可能な生産ライフサイクルの確保を目標としている」と述べ、「土地の生物多様性の保護から、100%再生可能な電力の使用まで、カーボンフットプリントの低減を決意している。投資家として参加できることを誇りに思う」とコメントした。

　テルモンの会長ルドヴィック・デュプレシはディカプリオの経営参画について、「彼は独自のオーラ、コミットメント、持続可能で責任ある開発の価値観を有している。これらの価値観は私たちの価値観でもある」と語った。

　テルモンはディカプリオのロサンゼルスの自宅にシャンパーニュを送り、深夜にオンラインでつないで一緒に試飲したという。

　セレブとシャンパーニュのブランドは親和性がある。LVMHは2021年にラップスターJay-Z所有のブランド「アルマン・ド・ブリニャック」の株式を50%取得した。ドン・ペリニヨンはレディ・ガガやレニー・クラヴィッツらを起用してスペシャルキュヴェを出した。

　ディカプリオは今のところ金銭的な投資だけで、”商売”ではない。だが、ブランド・アンバサダーとなれば、テルモンの強力なプロモーションとなり、ブランド価値向上につながるだろう。