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2021年のシャンパーニュ出荷が回復、過去最高の売上高の見通し

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 パンデミックにより減少していたシャンパーニュの出荷額が、2021年は過去最高の55億ユーロを記録する見通しとなった。


 シャンパーニュ委員会(CIVC)の共同会長で、メゾンを代表するユニオン・デ・メゾン・ド・シャンパーニュ(UMC)会長のジャン・マリー・バリエールが、AFPに対して2021年の出荷量は3億1500万本に達し、売上高は55億ユーロに達するという見通しを明らかにした。


 2020年の世界向け出荷量は、パンデミックに伴う世界的なロックダウンを受けて、前年比18%減の2億4500万本で、出荷額は40億ユーロに落ち込んだ。2021年は英米やオーストラリアなど輸出市場の回復によって、2019年を上回る過去最高の利益を記録する見通し。


 CIVCの総会でバリエール会長は「シャンパーニュはお祝いや喜び、社交性の代名詞として、本来の場所に戻ってきた」と、アングロサクソン諸国が売上を牽引した状況を説明した。


 ワイン・スペクテイター発行人のマーヴィン・シャンケンはウェブのコラムで、10月9日までの40週間で、ニールセンのチャネルで米国のシャンパーニュのカテゴリー全体が数量で20%、金額で27%の伸びを示したと発表した。オンもオフも品不足となり、プレミアム化が進んでいる状況を紹介している。


 アルコール業界のアマゾンと呼ばれる配達サービス「Drizly」の今年の売れ筋トップ5は、ヴーヴ・クリコのイエローラベル、ドン・ペリニョン、モエ・エ・シャンドンのアンペリアル・ブリュット、ヴーヴ・クリコ・イエローラベルのギフトボックス、ニコラ・フィアットのブリュット・リザーヴ・エクスクルッシブだという。


 シャンパーニュの出荷量は戦後、2500万本だった。半世紀かけて、2004年に3億本台に乗って、リーマンショックの2007年には3億3870万本でピークに達した。ヘクタール当たり1万キロの収量で収穫すると、年間出荷数は3億本前後となる。


 近年はプレスティージュキュヴェやロゼの人気が高まり、売上高が増加している。日本を含む世界の夜の市場で、ドン・ペリニヨン、クリュッグ、クリスタルなどのプレスティージュ・キュヴェの売り上げが増加している。投資対象にもなっており、クリュッグ2008など最近発売された高級シャンパーニュは品薄となっている。


 ただ、ここにきて登場したオミクロン株によって、フランスを含むヨーロッパ圏内で感染者数が増加している。フランスでは12月10日からナイトクラブの営業を4週間にわたって禁止し、イベントの規制も見直す。需要が高まるクリスマスから年末にかけて、シャンパーニュの消費にブレーキがかかる可能性も存在する。

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