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ワイン業界を揺るがせたマスター・ソムリエのスキャンダルで、マスターソムリエ協会米国支部(CMS-A)は、外部機関の独立した調査で、セクハラを行ったと認定された6人のマスター・ソムリエを除名した。
このスキャンダルは、ニューヨーク・タイムズが21人の女性ソムリエが受けたセクハラを報じた昨年10月の報道で明るみになった。体を触られた、仕事と引き換えにセックスを迫られたなどの問題を被害者が告発した。
CMS-Aは雇用法を専門とする企業に調査を依頼して、80人以上の証言を聴取した。その結果、倫理・職責委員会は6人の男性が「不適切なコメントやいちゃつく行為、同意のない接触」などの行動をとっていたという声明を発表した。
また、「見返りを求めてメンターとしての指導関係を利用する」行為も、6人のうちの一部の男性が行った。これは男性ソムリエがセックスと引き換えに、女性のソムリエに、レストランへの推薦状を提供するなどの行為。
CMS-Aの共同設立者も除名
CMS-Aから追放された6人のマスター・ソムリエは以下の通り。
Bob Bath
Fred Dame
Fred Dexheimer
Drew Hendricks
Joseph Linder
Matt Stamp
フレッド・デイムはCMS-Aの共同設立者で、ドキュメンタリー映画「Somm」にも出演し、世界的に知られている。ボブ・バースはカリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカのナパ・キャンパスで教授を務めている。ヘンドリックス、デクスハイマー、リンダーは教育者として活躍している。スタンプはナパのダウンタウンで人気レストランを経営する。
6人はマスターソムリエの称号を失い、30日以内の法的審理を経て、組織から除名される。昨年の報道後、CMS-Aの役員は全員が辞任し、11人のメンバーが活動停止処分を受けたが、関与がないと認められて復職した者もいる。NYタイムズ紙で複数の疑惑を報じられたジェフ・クルスは復職の申請を禁じられた。
CMS-Aのエミリー・ワインズ会長は、「この深い失望と裏切りから、私たちは学んだ教訓を組織の成長と前向きな変化につなげていきます」と述べた。
CMS-Aの総会員は172人で、144人が男性。
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