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ニューヨーク・マンハッタンの美食シーンの頂点に立つレストラン「イレブン・マディソン・パーク」(Eleven Madison Park)が、ヴィーガン・メニュー専門に変身して再出発する。野菜や穀物を使った335ドルのテイスティング・メニューを供する。
イレブン・マディソン・パークは2017年に世界のベストレストラン50でトップに立った。2006年からミシュラン3つ星も保持する。ニューヨーク市内で最も高価なレストランの1つ。新型コロナウイルスのため、15か月間にわたり屋内での飲食を中止していた。6月10日にヴィーガン・レストランとしてリニューアル・オープンする。ミシュランのNY版2021は6日に発表される。
スイス人オーナーシェフのダニエル・ハムは「動物性食品を使用しない植物性メニューを提供することにしました。すべての料理に、大地と海の両方から採れる野菜をはじめ、果物、豆類、菌類、穀物などが使われています」とHPで発表した。
「私たちは最も風味豊かな野菜スープやストックを作ることに夢中になっています。植物性のミルクやバター、クリームの開発に明け暮れています。ファインダイニングの在り方を再構築する自信を得ました。リスクを冒す価値があると確信しています」と語った。
ハムは休業中に「現在の食糧システムが様々な意味で持続可能ではないこと」に気づいた。地元の農場の食材などを使って、シグネチャー・ディッシュの「ラベンダーの蜂蜜漬け鴨」や「ロブスターのバターポーチ」に負けない満足感のある料理を開発したという。
パンデミック前は、魚と肉料理を盛り込んだ335ドルの10皿前後のプリフィクス・テイスティングメニューが、100%植物性となる。植物性とは、ベジタリアン・メニューで使われる牛乳、クリーム、チーズも使わないことを意味する。
ヴィーガン・メニューのミシュラン星付きレストランは、北京の3つ星「King's Joy」(京兆尹)、ボルドーの1つ星「ONA」がある。
ベジタリアンは肉や魚を食べないが、ヴィーガン(Vegan)は鶏が生む卵や牛から搾る乳製品も口に入れない。健康志向や環境保全を理由に、欧米で関心が高まっている。ヴィーガニズム(完全菜食主義)人口は、英国、オーストラリア、ニュージーランドなどが多いが、世界では数%以下と見られる。
ヴィーガン自体はライフスタイルなので個人の自由だが、イレブン・マディソン・パークの壮麗なワインリストを見ると、ソムリエがペアリングに苦労することが想像される。
ラヴノー1985やジャコモ・コンテルノ1971などを含むワインリストはこちら
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