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カスタムメイドのシャンパーニュ、クリスタル・ヴィノテック1999が発売

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 シャンパーニュのメゾン、ルイ・ロデレールがクリスタル・ヴィノテック1999を発売した。1995、1996に次ぐ3番目のヴィノテックとなる。


 ヴィノテックはクリスタルをセラーでちみつな手法により熟成させるカスタムメイドのプレスティージュキュヴェ。1999年は嵐が多く、風の強いヴィンテージだった。生育が早く、夏は乾燥して晴天に恵まれた。収穫期は雨がちだったが、影響は少なく、力強く、凝縮していながらフレッシュ感のあるワインとなったという。


 ブランの比率はピノ・ノワール57%、シャルドネ43%。24%はオークで醸造された。ロゼの比率はピノ・ノワール54%、シャルドネ46%。5%がオークで醸造された。いずれもノンマロ。


 ヴィノテック1999は20年かけて、地下の室温11度のセラーで仕上げられた。最初の8年間はシュール・ラット(水平状態)で熟成し、リュミアージュ後に、続く8年間はシュール・ポワン(垂直状態)で熟成。デゴルジュマン後に4年間の熟成をした。


 第一段階のシュール・ラットでは横に広がったオリと接触させる。王冠を通じて起きる微妙な酸化とオリによる還元の二重効果が得られ、酵母の自己溶解が進む。リッチな香りとストラクチャー、カシミアのようなテクスチャーが加わる。


 第二段階のシュール・ポワンでは、リュミアージュ後にオリがネックに集まる。酸素が遮断される還元的な状態で、ゆっくりと熟成する。クリスタル・ヴィノテックの本質をなすフレッシュ感を保ち、チョーキーなタッチが強くなる。


 デゴルジュマン後の第三段階では、柔らかさ、丸み、愛撫するようなテクスチャーが生まれる。オリジナルのクリスタルは樽のワインから造るリキュールでドザージュするが、ヴィノテックは瓶詰めしたワインから造るリキュールを使うため、より調和が生まれる。


 この複雑な熟成手法は、シェフ・ド・カーヴのジャン・バティスト・レカイヨンの、約20年間で飲み頃の窓が開くという観察に基づいて完成した。レカイヨンが熟成中のワインと対話しながら手造りしているため、3段階の熟成期間はヴィンテージによって異なる。

 
 生産量は限定され、ボトル番号付きでリリースされた。ブランは12万円、ロゼは24万円。輸入元はエノテカ。

 

Twitter@LouisRoederer_

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