「グラン・ジュール・ド・ブルゴーニュ」は中止、「ヴィネクスポ香港」は延期

　新型コロナウイスル感染症の広がりによって、3月中旬に予定されていた見本市「グラン・ジュール・ド・ブルゴーニュ」は中止が決まった。5月下旬に予定されていた「ヴィネクスポ香港」は7月初旬に延期された。

　グラン・ジュール・ド・ブルゴーニュの主催者は、ヨーロッパとフランスで新型コロナウイスル感染症が拡大しているのを受けて、3月9-13日に開催予定だったイベントの中止を発表した。「我々は今回の決断があなた方の議事と活動に影響を与えることを知っているが、我々のプライオリティは各人の健康にある」とコメントした。

　グラン・ジュール・ド・ブルゴーニュは、シャブリ、コート・ド・ニュイ、マコネ、コート・シャロネーズ、コート・ド・ボーヌの各地区を、9日から13日にシャトルバスで回る予定だった。2年おきに開かれるイベントで、各国からバイヤーやジャーナリストが訪れ、各村で生産者たちの出展する試飲会で、ワインの出来を確認する。参加者にとっては、簡単に訪問できないドメーヌの希少なワインを試飲して、造り手と直に話ができる貴重な機会だ。

　一方、ワインとスピリッツの大規模見本市「ヴィネクスポ香港」は5月26-28日に開催予定だったが、7月8-10日に延期となった。2月初旬から予定通りの開催を危ぶむ声が出ていた。来場者の大半は中国本土から来るバイヤーやディストリビューターで、韓国や日本からの来場者も多い。

　今年春に予定されていた世界のワイン・スピリッツの見本市は、ことごとく延期や中止に追い込まれている。ドイツ・デュッセルドルフで3月15日から開催予定だった世界最大のワイン・スピリッツ見本市「プロヴァイン　2020」は29日、リスケジュールが発表された。

　3月末にシンガポールで開催予定だった「プロヴァイン・アジア2020」は7月13-16日に延期された。中国・成都で3月末に開かれる予定だった中国最大級のワイン見本市「チャイナ・フード・アンド・ドリンクス・フェア　2020」（CFDF）も延期になっている。

　感染が拡大しているイタリアのベネト州ヴェローナで、4月19-22日に予定されている「ヴィニタリー」は実施されると発表されたが、イタリアの感染者は急増している。日本の外務省はロンバルディア、ヴェネト、エミリア・ロマーニャ州に対して、感染症危険情報レベルを2に引き上げ、不要不急の渡航を止めるよう求めており、不安が残る。3月30日から始まるボルドーのプリムール試飲会については、今のところ主催者から何も発表はない。