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2019年に読んだワイン本で興味深かったものの一つがボルドーの「ティエンポン・ワイン」のマネージング・ディレクターを務めるフィオナ・モリソンMWの「10 GREAT WINE FAMILIES A Tour Through Europe」だった。
モリソンMWは英国人の両親の下で米国に生まれ、ポムロールのル・パンのオーナー、ジャック・ティエンポンと1997年に結婚した。ベルギー出身のティエンポン一族が経営するティエンポン・ワインのマネージング・ディレクターを務める。ボルドーとベルギーを行き来しながら、家族で所有するル・パンと L’IF (サンテミリオン)、Chateau L’Hetre(コート・ド・カスティヨン)をトップワインにするのに貢献した。1994年にマスター・オブ・ワインに合格した。
本書はモリソンMWの2冊めの著書。ガヤ、パラシオス、ペラン、フレスコバルディ、ティエンポンらヨーロッパの10のファミリー・エステートの懐に入り込み、インサイダー的な視点で取材し、気候変動や相続税の上昇などに直面しながら、高品質ワインの生産を続ける一族たちのワイン造りや家族の風景を描いている。プロフェッショナルよりは愛好家に向けて書かれており、興味深いエピソードが多く盛り込まれている。
ハーバード・ビジネス・スクールの研究によると、「家族ビジネスの70%は2世代目に入る前に売却され、3世代目で生き残るのは12%にすぎない」。本書は伝説的なワイン造りの一族が数世代にわたり、世界クラスのワインを生産し続けている背景に光を当てている。フラマン語で書かれたが、スティーブン・スパリアの「Academie du Vin series」で英語本として出版された。
紹介されているのは以下の10ワイナリー。
ファミリア・トーレス(スペイン・ペネデス)
マルケージ・デ・フレスコバルディ(イタリア・トスカーナ)
ヴァイングート・エメリッヒ・クノール(オーストリア・ヴァッハウ)
ファミーユ・ティエンポン(フランス・ボルドー)
ディセンディエンテス・デ・Jパラシオス(スペインのビエルソ、リオハ、プリオラート)
ニーポート・ポーツ&ワインズ(ポルトガル・ドウロヴァレー)
ガヤ(イタリア・バルバレスコ)
エゴン・ミュラー(ドイツ・モーゼル)
リジェ・ベレール(フランス・ブルゴーニュ)
ファミーユ・ペラン(グランス・ローヌ)
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