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頼れるニコラ・ポテル、旧式の圧搾機を使う理由は

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 ドメーヌ・ド・ベレーヌの本拠地はボーヌの外周道路から、ラドワ、アロース・コルトンに向けて走り出してすぐ。アンリⅡというホテルの斜め向かいにある。そのまま走ると、74号につながる。コート・ドール巡りの定期ルートだ。

 2014年のブルゴーニュは暖冬で、雨が多かった。すき返しをするタイミングがなくて困ったそうだ。ドメーヌを訪問した日も小雨が降っていた。当主ニコラ・ポテルはあいにくと風邪だった。フランス人も風邪を引くのかと思ったが、それは当たり前だろう。

 ワインメーカーのシルヴァン・デボルド、輸出部長の北沢清二さんと一緒に、2012、2011年を試飲した。北沢さんはブルゴーニュで最も顔の広い日本人の一人だろう。多くのドメーヌと付き合いがあり、頼られている。ポテルは苦労して現在の地位を築いたが、北沢さんはその志にほれて、日本とフランスを行き来しながら、がんばっている。

 白も赤も秀逸な出来だったが、特に興味深かったのが、サントネイ・レ・シャルム・ドゥシュの白。サントネイはそもそもピノ・ノワールが多くてシャルドネは少ない。瓶詰めした2012年は、しっかりしたミネラル感に南国的な果実の香りが乗っている。不思議な感じがしたら

 「この畑は必ず、2、3%は貴腐がつく。谷間になっているので、湿気がたまりやうし。毎年つくなら、それがテロワールと思い、そのまま入れている」とデボルド。

 人間の手を入れないとはこのこと。これもテロワール表現の一つに違いない。

 貴腐菌の扱いは造り手によってわかれる。

 DRCのモンラッシェは貴腐菌のついたブドウをそのまま使う。ソーゼはすべてはねると話していた。どの造り手にもそれなりの理由がある。正解はないのだろう。

 セラーの片隅には、古い垂直式のプレス・マシンが置いてあった。ポテルは、熟成前酸化の要因の一つは空気圧式圧搾機にあると考えて、古い機械を使い続けている。ブルゴーニュの将来まで考えて行動している男だ。

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