世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. 赤も底力、クロ・デ・ムーシュ1996

赤も底力、クロ・デ・ムーシュ1996

  • FREE
 ジョゼフ・ドルーアンは通好みのネゴシアンだ。シャンパーニュで言えば、シャルル・エドシックやビルカール・サルモンのイメージに近い。

 ネゴスといっても、実際には、ほかの大手ネゴスと同じく大ドメーヌなのだが。家族経営を御旗に掲げる生産者は多いが、その多くはトップこそ一族から出てくるが、番頭役や醸造責任者は外部の人間を起用している。ここは4人の兄弟が、栽培、醸造、経営、米国のマーケティングをそれぞれ分担している。

 そこが強みだろう。ルイ・ジャドやフェヴレーのように派手な動きはしないが、いきなり、オレゴンのエオラ・アミティ・ヒルズの畑を購入したりする。シャブリとオレゴンは先駆者だし、実はボージョレ・ヌーヴォーもデュブッフより2年早かったそうだ。

 社長のフレデリックは末っ子。長男フィリップが栽培を担当している。ブルゴーニュでは長男がヘッドになるのが普通だが、ここらも自然に決まったという。フレデリックと話していると、ものの見方がグローバルで、論理的。なるべくしてなったのだろう。

 クロ・デ・ムーシュが今回のテーマ。ボーヌのオテル・ド・ラ・ポストの「ル・ビストロ」のランチでは、白の2010と赤の1996を味わった。白は偉大なヴィンテージと納得の出来。赤が素晴らしい熟成。タバコ、腐葉土など魅惑的な香り。白が優れているというのが私の見方だったが、赤もポテンシャルがある。

 前菜とメインで23ユーロのコース。前菜はアンコウのサモサ仕立て。メインは伝統のアントゥル・コート。20年まえの、ボーヌのビストロは伝統料理ばかりだった。料理革新の波はブルゴーニュにも訪れている。

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP