無冠の帝王？シャルル・エドシック

　日本で最も知られざる優れたシャンパーニュのメゾンが、シャルル・エドシックだ。

　３つのエドシック系ではぬきんでいている。ピペ・エドシックが有名だが、こちらは手造り感を残している。品質の決め手はやはりブドウ。ヴァンクレールを醸造責任者のティエリー・ロゼとともに試飲したが、アルコール度も高く、何よりいいクリュのブドウを使っている。

　ノンヴィンテージのリザーブワイン比率も４０％と高い。クリュッグを思わせるではないか。ただし、こちらはステンレスタンクのみだが。ヴーヴ・クリコを躍進させたセシル・ボネフォンCE0のもと、女心をくすぐるパッケージなど、マーケティングにも力が入っている。

　プレスティージュのブラン・ド・ミネレールは１９９５。おそらく、現行のプレスティージュでは最も古いものを出しているのではないか。ドザージュがやや多めの11グラムなのがひっかかるが、ゴージャスなブラン・ド・ブラン。これを知らないと、シャンパーニュ好きとしては片手落ちだ。注目である。