世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. シャンパーニュには人材、資金、人脈が必要

シャンパーニュには人材、資金、人脈が必要

  • FREE
 新参者がシャンパーニュに出にくいのは理由がある。小規模なレコルタン・マニピュランは別として、資金とブドウの手当てが容易ではないからだ。

 バロン・ド・ロスチャイルドのシャンパーニュが短期間で成功したのは、その2つをクリアしているから。金融業も展開する一族だから、資金に不安はない。10年、20年先を見通した戦略をたてられる。

 とはいえ、ブドウの手当てはお金だけでは無理。農家に入り込んで、信頼を得なければならない。グランクリュの農家は既に売り先が決まっている。通常は5年の契約だから、変わり目に口説くしかない。そこでものをいうのが人脈。

 社長のフレデリック・メレスは、LVMHやシーグラム傘下時代のマム、ペリ・ジュエを渡り歩いた。醸造責任者のジャン・フィリップ・ムーランも、ペリエ・ジュエ、マム、リュイナールでセラー・マスターを務めた。ヴーヴ・クリコのドミニク・ドマーヴィル、ペリエ・ジュエのエルヴェ・デシャンら醸造責任者の上に立っていた立場だというから、格が違う。

 この2人のコネクションで、いいブドウを買い付けているのだ。これは外部から参入したのでは不可能。ムートン、ラフィット、シャトー・クラークを率いるボルドーの名門オーナーたちは、さすがに人材の起用法を心得ている。

 年内に2006のヴィンテージを発売すると聞いた。最初に購入したブドウから8年後に、ボトルを出すのだ。シャンパーニュはやはり時間とお金のかかるプロジェクトだが、2人は「ゼロから始めるのは楽しい」と口をそろえる。

 訪れた22日はコート・デ・ブラン地区のサンヴァンサンのお祭り。農民には1年で最も大切な日だという。ランチで訪れたレストラン「ル・メニル」は、大勢の農民たちで大賑わい。日本の村祭りというか法事のような雰囲気だった。サラダとイベリコ豚で一息ついた。

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP