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ボーヌの夜、コシュ・デュリの赤と子牛で

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 やっぱり、マ・キュイジーヌはいい。

 ブルゴーニュ3日目の28日。早めに仕事が片付いて、ボーヌ中心部のマ・キュイジーヌへ。取材データ整理に忙しくて、夜は部屋食ばかりだったので、初のディナー。ボーヌにきたら、必ず立ち寄るビストロだ。30分前で、予約がとれたから驚いたら、それは7時という早い時間だったから。店を出る9時ごろには満員だった。アメリカ人多し。夏はもっと混むけれど。

 気軽に26ユーロのムニュで。前菜はフォアグラの春巻き仕立て。十数年前に初めて来たときは、伝統料理オンリーだったが、時代の変化を感じた。味付けは軽やか。野菜を生かして。付け合せもパルミジャーノ、トマト、ミニアスパラなど。軽さを演出している。

 ここのワインリストは値段順。すごく正しい。アペラシヨン順に考える人間などいないのだから。100ユーロ以下の選択肢が充実している。赤の見開き1ページ目。コシュ・デュリのオーセイ・デュレス2010。74ユーロ。妥当な値段だ。ブルゴーニュは56ユーロだったが少し奮発。水はカラフェ・ド・ウで。気取りなく水道水出してくれるのもいい。

 機会があったら、DRCモンラッシェの古いのを2500ユーロで飲みたい。白の最高値だった。赤の最も高いのは、1972ロマネ・コンティ。約7000ユーロ。考えようでは妥当かも。20年前にボルドーで買ったときは4万円だったが。

 いくつか飲んだ09の濃さにへきえきしていたので、スモモ、梅シソ風味の10は大歓迎。これぞクラッシクVTだ。ブルゴーニュに滞在して、生産者と話していると、彼らの言うことがよくわかってくる。09より10や12が自然体なのだ。ブルゴーニュのクラシックとはこれということ。日本にいると濃さや熟度を求めがちだが、現地の空気ではこのフレッシュさがいい。

 メインは子牛のラプランチャ。つまり鉄板焼き。脂が少なくておなかに優しい。オーセイ・デュレスの涼しい感じが、後半になって複雑性にかわり、肉とよくあう。10はガンガン飲める。これぞブルゴーニュ。これぞピノノワール。

 最後はエポワス。日本では小指くらいしかないが、両手の手のひらくらいの量。もっとワイン残しておけばよかった。しめて100ユーロ。日本ではワイン代にもならないのだから、満足いっぱい。

ドメーヌ・コシュ・デュリ オーセイ・デュレス 2010
ボーヌのマ・キュイジーヌ:76ユーロ
週に一度は飲みたい度:88点

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