ロバート・パーカー、世界的消費者イベントに乗り出す

　世界で最も信頼される評論家ロバート・パーカー氏が、アメリカン・エクスプレスと提携して、アジア、米国、ヨーロッパの9都市を回って、消費者にワイン解説と美食を供する初めての「ワイン・アドヴォケイト・グランド・ツアー」に2月から乗り出す。

　アジアツアーは2月末から3月中旬にかけて、北京、上海、香港、クアラルンプール、シンンガポールで行われる。ボルドー、世界のカベルネ・ソーヴィニヨン、イタリアの偉大なテロワールなどテーマは毎回、異なるが、各会場にパーカーとリサ・ペロッティ・ブラウンMWらワイン・アドヴォケイトの評論家、生産者らが出席する。ガラディナーとセミナー形式のマスタークラスの二部構成。各都市の一流ホテルで、パーカーの解説をじかに聞きながら、偉大なワインと食事を楽しむ。

　3月5日に香港のアイランド・シャングリラで開かれるマスタークラスのテーマは、フランスのアイコンワインと世界の対抗馬。チケットは420米ドル。ガラディナーは998ドル。定員はそれぞれ239人、172人。北京、上海、クアラルンプールのガラディナーは880ドル。米国とヨーロッパの日程は未定。

　アジア向け優先チケットはアメリカン・エクスプレスのカード会員限定で、1月7～19日に特設サイトで売り出され、一般販売はその後になる。アジアでのアメリカン・エクスプレスのカード会員集客に役立つと見られる。

　パーカーは2012年末に、ワイン・アドヴォケイトをシンガポールの実業家に1500万ドルで売却した。関係者によると、ワインの評価と直接の利害関係のないスポンサーとの提携を模索してきた。今回のツアーは消費者教育の一環という意義があり、高い人気を誇るアジア地区から優先的に始める。ワイン・アドヴォケイトの評論家の客観的なワイン評価に影響を与えない形で、ネームヴァリューを集金できるビジネスに結びつけた。

　米国のワイン・スペクテイター誌や英国のデカンター誌も、メディアの知名度を利用したセミナーは自国で開催してきた。ワイン・アドヴォケイトがこの種のイベントを開くのは初めて。アジアでは、消費者の信頼とスター性が飛びぬけて高いだけに、高額なチケット料金でも、富裕層を集客できそうだ。