東京に続きロンドンで3つ星、荒木水都弘さんの寿司「The Araki」

　東京・銀座の3つ星寿司店「あら輝」を閉めて、ロンドンで勝負をかけた荒木水都弘さんの「The Araki」（ジ・アラキ）が、2日発表された英国のミシュランガイド2018年版で3つ星に輝いた。英国で寿司店が3つ星を獲得したのは初めて。タイム、ガーディアンやインディペンデントは、荒木さんの写真を使い、ミシュラン2018のニュースを報じた。
　荒木さんは世界の舞台で勝負しようと、日本を離れ、2014年10月、ロンドン・メイフェアで「The　Araki」を開店。2015年9月に発売された2016年版でいきなり2つ星に輝いた。日本時代からマグロに定評があるが、おつまみにはアルバ産白トリュフなども使っている。魚の大半はヨーロッパから調達しているという。
　カウンター9席だけで、1晩に2回転しかしない。お任せは1人当たりVAT込みで300ポンド（約4万5000円）。コンパクトなワインリストには、磯自慢の特別純米吟醸などを載せている。当初はマスター・ソムリエがリストを作っていた。飲み物とサービス料を合わせると6万-7万円が普通。ロンドンで最も高価なレストランの一つで、6か月間の予約待ちと言われる。Wikipediaも編集されている。
　世界的な人気を誇る寿司は、ニューヨークの「Masa」、香港の「Sushi Shikon」（すし志魂）も3つ星を獲得している。「Sushi Shikon」のディナーおまかせは3500香港ドル（約5万円）、「Masa」のおまかせは595ドル（約6万7000円）。美食家や接待客が訪れる高級寿司店は、かつてのフランス料理をしのいで、世界で最も人気を集める高級レストランになりつつある。同時に、フランス料理とワインが世界に広がったように、Sakeと寿司が世界に広がる可能性もある。
　ロンドンの3つ星は、アラキのほか、ドチェスターの「アラン・デュカス」、チェルシーの「ゴードン・ラムゼイ」の計3店。これに、アラン・ルーの「ウォーターサイド・イン」とヘストン・ブルメンタールの「ファット・ダック」を加えて、英国で計5店となる。2つ星は1つの新店を含む20店。1つ星は新たに星を得た17店を含む150店。