ムートン・カデが2015ヴィンテージから刷新

　ボルドーのムートン帝国の屋台骨を支えるブランドワインのムートン・カデ・ルージュが、2015ヴィンテージから刷新されて、1日に発売された。
　ムートン・カデの誕生はブドウの出来が悪かった1930年。2代前の当主フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵が、シャトー・ワインを造る代わりに仕込んだ。88年に後を継いだフィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人は、専用のワイナリーを建設して、醸造から保管までを一貫管理してラインアップを充実、世界初のブランドワインを世界最大のブランドワインに成長させた。
　カンヌ国際映画祭、ゴルフのライダー・カップ、ヨットのアメリカズ・カップなどビッグイベントのオフィシャル・スポンサーを務め、世界的に知られている。フィリピーヌの長男フィリップ・セレイ・ド・ロスチャイルド男爵は「ムートン・カデは最も大切なブランドワイン」と語っている。年間生産量は1200万本。150か国で発売されている。
　今回のリニューアルは、2014年に亡くなったフィリピーヌの後継となる3人の兄弟が3年がかりで行い、3代目のムートン・カデが誕生した。100％契約農家のブドウを使用し、コート・ド・ボルドー産のブドウの比率を30%から45%に上げた。メルロの比率を5%増やして85%に高め、熟成は一部に樽を導入して18か月間に伸ばした。その結果、しっかりした骨組みと深みが増した。