カリフォルニアのサンタ・リタ・ヒルズAVAを拡大

　カリフォルニア州サンバ・バーバラ郡の優れたピノ・ノワール産地サンタ・リタ・ヒルズAVAを拡大することを、米国財務省の酒類タバコ税貿易管理局（TTB）が23日に発表した。


　サンタ・リタ・ヒルズはサンタ・イネズ・ヴァレー内のアペラシオンで、2001年にAVAとして認められた。「Santa　Rita　Hills」と表記されていたが、チリのワイナリー「Santa　Rita」との摩擦を避けるため、2005年に「Sta　Rita　Hills」の表記となった。山脈が東西に走るため、西に25キロの太平洋からの冷涼な風や霧の影響を受け、生育期間も長い。カリフォルニアで最も冷涼な産地の一つで、ピノ・ノワール、シャルドネ、シラーが成功している。
　9月21日から、現行の930ヘクタールが、1350ヘクタールに拡大される。ペンス・ランチとジョンセバスチャーノ・ヴィンヤードの申請が認められた。セバスチャーノ・ヴィンヤードの大半は、オリジナルのAVAの領域内にあるが、ローヌ品種を栽培している畑が領域外にある。ペンス・ランチは全体が現行AVAより内陸にあるサンタ・イネズ・ヴァレーAVA内にある。
　サンタ・リタ・ヒルズは、サンタ・イネズ・ヴァレー西側の冷涼なテロワールの産地を、サンタ・イネズ・ヴァレーと区別する流れの中で生まれた。緊密に連携するサンタ・リタ・ヒルズAVAのワイナリーには、今回の拡張に反対する意見が多い。サンディやドメーヌ・ド・ラ・コートを手掛けるサシ・ムーアマンは「現行のサンタ・リタ・ヒルズ内ですら、海に近い西側の冷涼な部分と内陸部でテロワールが異なり、独自のAVAを設けるべきという意見がある」と話していた。
　サンタ・リタ・ヒルズには、サンフォード、シー・スモーク、ブリュワー・クリフトン、クロ・ペペなどの優れた生産者がいる。