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開き始めた1996 メオ・カミュゼのクロ・ド・ヴージョ

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 クロ・ド・ヴージョは狙い目のグランクリュだ。

 というと、首をかしげる人もいるかもしれないが、優れた造り手には裏切られない。シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネのグランクリュと比較されてきたのもわかる。にもかかわらず、値段は相対的に控えめだ。50ヘクタールに80人以上の所有者がいる。失望させられるワインが多く、イメージがよくないせいかもしれない。

 私の鉄板は、メオ・カミュゼ、ルロワ、今はなきルネ・アンジェルあたり。ルロワもメオ・カミュゼも生産本数が比較的多いから、昔からよく買ってきた。ジャン・ンコラ・メオの1996年を開けた。1、2年前は96年は堅かったが、そろそろ開いているのではないかと思ったのだ。

 予想は当たった。ドメーヌでジャン・ニコラと試飲したときは、「グランクリュの中でも抽出が強いほうだ」と言っていて、当分、放置してきた。忍耐が報われた。アジアのスパイス、黒トリュフの香り、エキゾチックで、クラクラする。思いのほか、色調は濃くなく、バランスがとれている。20年かけて熟成させるべきワインなのだろう。

 シャトー・ド・クロ・ド・ヴージョの真下の広い区画と、D974に伸びる小さな区画を、別々に醸造し、ブレンドしている。斜面上部の表土の薄い区画がもたらすミネラル感と強固なストラクチャーが特色だ。10年以上前、早めに開けた93年はタイトニットだったが、ようやく真の姿が見えた。筋肉質で豊かなボディ、厚いタンニンに、ある種の華やかさがある。ヴォーヌ・ロマネ的なニュアンス、例えばすぐ上部のグラン・エシェゾーを思い出した。

 クロ・ド・ヴージョの品質のばらつきは有名だが、ルロワもシャトーの脇と下部の両方を所有する。区画の場所もさることながら、最後は造り手の力量がものをいう。どこのクリュもそうだが。

 コート・ドールの最大のグランクリュであり、D974に接する唯一のグランクリュ。生産者の選択は難しいが、当たれば素晴らしい。シャンベルタンとグラン・エシェゾーの中間というイメージだ。96年がそそろ飲み頃に入っているとわかったのも収穫だった。

 料理はお気に入りのイタリアン「バンビ」。カジュアルだが、うまいもんといいグラスで飲める。生肉っぽいパテ、トリッパ、たっぷりの鴨のラグー・パスタ、タリアータなど5000円で超まんぷくである。

(2013年8月 東京・代々木のイタリアン「バンビ」で)
ドメーヌ・メオ・カミュゼ クロ・ド・ヴージョ 1996
購入:はるか昔にボーヌで 7000円前後
年に一度は飲みたい度:93点

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