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ポムロールの教会に近いレグリーズ・クリネを訪ねて、アトリエのようなこじんまりましたスペースで試飲する。いつもブルゴーニュの小さなドメーヌに来たような雰囲気でほっとさせられる。技術責任者のオリヴィエ・ゴートラと、2020年に亡くなったドゥニ・デュラントゥ(Denis Durantou)の思い出を交えながら試飲した。
「この畑からとれるブドウから仕込めるのはラッキーだ。悪いワインができるわけがない」
ドゥニは、2001年からセラー・マスターを務めるオリヴィエにそう語っていたという。オリヴィエはドゥニの娘のノエミとコンスタンス姉妹と共にワインを造り続けている。
醸造期間は自宅に帰れない
機械に頼らず、触感や嗅覚を生かした素朴なワイン造りをしている。発酵させると、目で見て香りを毎日かいで、果汁を回してタンニンのシルキーな感触にふれる。7日たったころから様子をみて、10日から2週間たったところで味見をして、フレッシュさが失われたと思ったらそこでマセラシオンを止める。
「自然の声を聞いて、畑が与えてくれる最良のものに寄り添う。情熱が大切なんだ。時間を気にしてはいけない。(醸造が始まって)3か月間は家にいない。ワインのそばにいる。寝るために帰れない。子供もその間、父は家にいないものだと思っている」
2025年は夏に入るまではポムロールの粘土土壌の保水力で持ちこたえたが、干ばつで7月になると生育のペースが落ちた。8月中旬は気温が43度まで上がる猛暑だったが、8月20日と29日の雨に救われた。
タンニンが強いため、通常通りの醸造ではでは柔らかくならない。発酵温度を26-28度まで下げて、マセラシオンのスピードを下げた。凝縮した力強いワインの多いポムロールにあってバランスのとれたしなやかなワインができた。
「シャトー・レグリーズ・クリネ 2025」(Chateau L’Eglise Clinet 2025)はメルロー90%、カベルネ・フラン10%。メルローは9月4日と5日、カベルネ・フランは12日に収穫された。柔らかい口当たり、ダークラズベリー、ワイルドベリー、カシス、バラの花弁、生き生きした酸味、繊細なタンニン。グリップがあり、包み込むような大きさがある。新樽75%。5000本。96点。
「ラ・プティット・エグリーズ 2025」(La Petite Eglise 2025)はセカンドではなく独立したワイン。1.5haの3区画から造る。メルロー90%、カベルネ・フラン10%。レッドチェリー、プラム、クローブ、しなやかなタンニン、香り高く、優雅で調和している。ピノ・ノワールを思わせる優しさがある。新樽65%。94点
「シャトー・モンランドリー 2025」(Chateau Montlandrie 2025)はカスティヨン・コート・ド・ボルドーのメルロー60%、カベルネ・フラン20%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%。粘土石灰質の丘陵から。2009年に購入し植え替えて、カベルネ・ソーヴィニヨン比率を高めた。ブラックチェリー、プラム、ブラッドオレンジ、メントール、クリーミーなタンニン、骨格はしっかりしている。ジューシーでフレッシュ。余韻にヨードと濡れた石。カスティヨンを代表するワイン。3万1000本。93点。
「シャトー・レ・クリュゼル 2025」(Chateau Les Cruzelles 2025)はメルロー85%、カベルネ・フラン15%。ラランド・ド・ポムロールの砂利粘土土壌。2004年に4.5haに植えた。プラム、ブルーベリー、ラベンダー、リッチでなめらかなタンニン、ジューシーな酸。深みがあり余韻は長い。アルコール度13.8%。2万800本。93点。
「ラ・シェナード 2025」(La Chenade 2025)はメルロー85%、カベルネ・フラン15%。ラランド・ド・ポムロールで2001年に購入して植え替えた。純粋でシルキーなタンニン、ほのかにヴァニラ、レッドチェリー、スミレ、洗練されていてエレガント。92点。
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