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凝縮感と明確な輪郭、2025年のトップに位置するシャトー・マルゴー(ボルドー2025プリムール)

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 世代交代で1級シャトーの当主も若返っている。シャトー・ラフィット・ロートシルトのサスキア・ド・ロスチャイルドが最も若いと勘違いしていたが、実はアレクシス・レーベン・メンツェロプロス(Alexis Leven-Mentzelopoulos)が最年少だ。1993年生まれ。2023年に母コリーヌから30歳で経営権を引き継いだ


 若すぎるわけではない。コリーヌは父アンドレが亡くなった1980年に27歳で継承し、43年間も経営してきた。アレクシスはパリ・アメリカン大学でコミュニケーション学の学士課程を修めた後、ボルドー国立高等農業科学学校(Bordeaux Sciences Agro)の修士課程でワイナリー・マネージメントを学んだ。


 老舗旅館の女将のような存在感と笑顔で、いつも温かく迎えてくれたコリーヌがいなくなったのは寂しいが、控えめな紳士のアレクシスもエレガントなシャトーの顔にふさわしい。


 母子で共通しているのは、優れた技術チームを率いる有能な支配人を迎えて、歴史あるシャトー・マルゴーの品質を向上させてきたことだ。ポール・ポンタリエ、そしてフィリップ・バスコール。2025年に大成功をおさめたのは、ナパヴァレーのイングルヌックでもワインを造るフィリップの手腕が生きている。


収穫遅らせて実現したバランス


 シャトー・マルゴーは8月まで温暖で乾燥した気候が続いたが8月末と9月初頭に60ミリの雨が降り、14-14.5%だった潜在アルコール度が12.5-13%まで下がった。大半のシャトーはそこから早めに収穫に入ったが、フィリップは収穫を遅らせてさらに熟させた。糖分だけでなく果皮やタンニンの生理的な成熟を待った。これで糖分とタンニンのバランスがとれて、濃厚なワインができた。


 若いメルローは9月8日、カベルネ・ソーヴィニヨンは9月19日に始めて、9月29日に終了した。ブドウの分析結果からブドウの酸味が保たれていることがわかっていたからだ。グラン・ヴァンのアルコール度は13.8%、TPI(総ポリフェノール指数)は81と高いがバランスがとれている。凝縮感と果実味の明確さが際立っている。フィリップのナパの経験が生きている。


 「シャトー・マルゴー 2025」(Chateau Margaux 2025)はカベルネ・ソーヴィニヨン89%、メルロー6%、カベルネ・フラン4%、プティ・ヴェルド1%。香りと味わいの両方が力強く、濃密でありながら柔らかい。ダークベリー、ダムソンプラム、鉛筆の削りかす、凝縮された果実味とクリーミィなタンニンが調和している。筋肉たっぷりで熟成の期待できる貴婦人。収量は22hl/haと低くグランヴァン比率は37%。98点。


 「シャトー・マルゴー パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 2025」(Chateau Margaux Pavillon Rouge du Chateau Margaux 2025)はダークベリー、ブルーベリー、バラの花弁、口当たりは優しく、しっかりしたタンニンはなめらか、果実は凝縮していて、輪、と輪郭がはっきりしている。カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー16%、プティ・ヴェルド10%、カベルネ・フラン4%。TPIは78。アルコール度は13.9%。収穫量の28%を占める。93点。


 赤ワインの収穫量の38%はサードワインのマルゴー・デュ・マルゴーとバルクワインに充てられた。シャトー・マルゴーの生産量はうどんこ病の被害を受けた1856年以来、最低だった。


 2025年の白ワインは暑くて乾燥したにもかかわらず、フレッシュ感を保ちながらも、低収量で香りが凝縮しているものが多い。


 パヴィヨン・ブランの収穫は8月18日から22日の間に行われた。ブドウの熟度は理想的で、フレッシュ感とアロマの複雑さ、2022年と似たバランスを保っているという。収量は16hl/ha。収穫の45%が使われた。

 
 「シャトー・マルゴー パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 2025」(Chateau Margaux Pavillon Blanc du Chateau Margaux 2025)は100%ソーヴィニヨン・ブラン。洋ナシ、ピーチ、パッションフルーツ、白胡椒、香り高く、はつらつとした酸味、クリーミィなテクスチャー。濃厚でエキゾチック。通常よりバトナージュを控えた。アルコール度は14%。pHは3.14。わずか7000本。95点。

オーナーが在宅の際はゲートが開く
30代前半のアレクシス・レーベン・メンツェロプロス

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