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最高品質でお買い得、SO2無添加のシャトー・ポンテ・カネ(ボルドー2025プリムール)

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 シャトー・ポンテ・カネは29日、プリムール商戦のトップを切って2025ヴィンテージを58ユーロ(Ex-Chateau)で売り出した。昨年の2024ヴィンテージは60ユーロ。過去最高クラスの魅力的な品質を考えればお買い得である。


 メドックでビオディナミを実践するシャトーは増えてきたが、どんなヴィンテージも安心できるのはポンテ・カネとパルメだけ。ポンテ・カネの土台を固めたジャン・ミシェル・コムは2020年に退任したが、後任のマチュー・ベッソネがファイン・チューニングを進めてきた。


 マロが始まるまでSO2は添加しない。遊離亜硫酸量は約30mg/L。透明性がある。まさに自然派。発酵はそれぞれの発酵槽任せだったが、ピエ・ド・キューヴで始めるようになって一貫性が生まれている。ブレンドは早めに行って安定性が出てきた。


 畑では日陰を作るために枝をアーチ状に編み、日焼け止めにカモミールを塗布している。訪問したのはプリムール週間の2日目。3頭の牛が81haの畑を耕していた。これは訪問客向けのデモンストレーションではない。ポンテ・カネにならって、ラトゥールやマルゴーも馬を使い始めた。


 ポイヤックでは試飲していないラトゥールを除けば、力強さと優雅さを兼ね備えたムートン・ロートシルト、優雅さの極みに回帰したラフィット・ロートシルトと並んで、洗練されて確かな骨格のポンテ・カネがトップ3を占めている。


 ここでは電気を使わない。250人のスタッフが手摘みし、作業員が手で選別し果梗をはずす。パンチダウンとポンプオーバーも手作業。必要な電力は地下深くに穴を掘る地熱発電(ジオサーマル)装置に頼り、LED照明を取り付けている。ボトルも軽量化した。Sustainable(持続可能)という言葉は好きでなく、Eethical(道徳的に正しい)という価値観でワインを造っている。


 2025年は乾燥して暑かったが、8月29日に20ミリ、31日に40ミリの雨が降った。9月は涼しく、アロマとエネルギーが保たれた。9月2日に収穫を始めて23日に終えた。
 「シャトー・ポンテ・カネ 2025」(Chateau Pontet Canet 2025)は芳醇で活力がある。小粒のブドウでタンニンは豊かだが、ジューシーな果実味と調和している。ブラックチェリー、プラム、カモミール、きめ細かな酸、ヴェルベッティなテクスチャー、しっかりした構造、力強い余韻は長い。新樽40%、粘土アンフォラ35%、1年使用樽15%で熟成している。アルコール度は13.3%。セカンドワインは造らず、20-30%はバルクワインで売る。96点。


 ボルドー2025は1991年以来、生産量が最も少ない。世界的に高価なボルドーワインの需要が減少し、ボルドー大学のアクセル・マルシャルは「市場の再興には誰もが気軽に楽しめるワインが不可欠」と語っている。ジャンシス・ロビンソンは「プリムールは存亡の危機」と発言した。


 UGCB主催の試飲会は昨年より10%増の約5000人が参加した。2025は困難なヴィンテージだった2024プリムールより値下げすることが求められており、優れたポンテ・カネの控えめな価格設定は今後に期待を抱かせる。


 

5頭の馬を飼育する
ファイン・チューニング続けるマチュー・ベッソネ
木製エッグと地下に埋め込んだコンクリートタンク
アルフレッド(左)とジュスティーヌのテスロン親子

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