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シュナン・ブランの真髄、モンルイ・シュール・ロワールのフランソワ・シデーヌ

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 シュナン・ブランの優れた造り手が数多いロワールで、モンルイ・シュール・ロワールのフランソワ・シデーヌはシュナン・ブランの巨匠と呼ぶにふさわしい。グリーンガイドではユエと並んで3つ星。同業者から広く尊敬されている。バンジャマン・ダグノーはフランソワの下で経験を積んだ。ディディエ・ダグノーがソーヴィニヨン・ブランで成し遂げたことを、シデーヌがシュナン・ブランで達成したとまで言うインポーターもいる。


 1966年生まれのフランソワは18歳で両親のブドウ園に加わった。父が引退した1989年に妻となるマヌエルと出会い、モンルイの2haのブドウ畑から始めた。現在は47haの敷地を所有している。1992年にビオロジックを導入し、ルロワやルフレーヴをコンサルティングしたフランソワ・ブーシェの指導を受けて、2002年にビオディヴァンからビオディナミ認証を取得した。


リジェネラティブ・ヴィティカルチャー(再生型農業)を実践


 いち早くリジェネラティブ・ヴィティカルチャー(再生型農業)に取り組んできた。マメ科など多彩な植物を被覆作物に利用して耕起はほとんどしない。これにより空気中の二酸化炭素が速やかに吸収され、ブドウの根が深く伸びる。ブドウ樹の休眠期には羊を放牧して補完する。生物多様性を保ち、土壌の菌類のネットワークを発展させている。植物、土壌、環境が調和している。


 熟練した常勤スタッフが手摘みしたブドウは冷たい石灰岩の断崖に掘ったグラヴィティフローの洞窟式カーヴで優しく全房圧搾される。樽と620Lのドゥミ・ミュイで発酵させ澱とともに熟成される。ガラス製のワイングローブも試験的に使用する。マロはワイン任せ。高品質なトレスカスのコルクで瓶詰めされる。


 平均樹齢は50年。モンルイの土壌は凝灰岩の下層に粘土石灰質土壌が広がっている。砂や小石も混じっている。


 「フランソワ・シデーヌ ヴァン・ド・フランス ペティヤン 2019」(François Chidaine Vin de France Pétillant 2019)はヴーヴレの石灰質土壌のシュナン・ブラン100%。残糖量が14-16g/Lになった時点で一次発酵を止める。ガス圧は2.5バールと穏やか。ゆずの皮、りんご、マルメロ、キリッとした酸味、香ばしく、柔らかいムースが心落ち着かせてくれる。純粋で活気に満ちている。ほろ苦みと塩味を帯びた余韻が続く。ワイナリーがヴーヴレにないためヴァン・ド・フランスを名乗る。素晴らしいお買い得。5900円。91点。


 「フランソワ・シデーヌ モンルイ・シュール・ロワール レ・ショワジール 2022」(François Chidaine Montlouis sur Loire Les Choisilles 2019)は熟した洋ナシ、砂糖漬けのゆず、桃の花、張りのある酸味、凝縮した果実味、しっかりした構造、ミッドパレットの厚みがあり重層的。バランスが優れエキゾチック。残糖は2.6g/L。Les Epinais、La Taille、Loups、Clos Renardのブレンド。レ・ショワジールは区画に豊富に存在する黒色フリントのこと。8600円。94点。


 「フランソワ・シデーヌ モンルイ・シュール・ロワール レ・チュフォ 2022」(François Chidaine Montlouis sur Loire Les Tuffeaux 2019)はモンルイの全区画のブドウから造る半甘口(ドゥミセック)。フローラルで砂糖漬けの洋ナシ、スパイス、アーモンド、まろやかで骨太、甘みと酸味が調和している。包み込むような大きさがあり、糖分は溶け込んでいてハーモニーがある。7400円。93点。


 モンルイ・シュル・ロワールの復興は、シュナン・ブランの真髄を表現するシデーヌの功績が大きい。現在は2人の子供にゆるやかに事業を引き継いでいる。


 輸入元は木下インターナショナル。
 

フランソワ・シデーヌ
石灰岩の洞窟のカーヴ
ビオディナミの畑
凝灰岩に石や砂の混じるモンルイの土壌

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