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ビオディナミで亜硫酸無添加、プティット・モンターニュのムニエ使いルラージュ・プジョー

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 シャンパーニュでプティット・モンターニュ・ド・ランスを回ることが増えた。エリーズ・ブジィ、ベルトラン・デレスピエール、ニコラ・マイヤールら興味深いグローワーが多い。ランスから南西に15分と街から近い地区は、カフェやバルも少ない住宅地のようなたたずまいまいだが、小規模なライジングスターがひしめいている。


 プティット・モンターニュ・ド・ランス地区はモンターニュ・ド・ランスの北西部。多くのコミューンはかつて90%のプルミエクリュ格付けだった。高速道路A4が北を東西に走っている。


 砂質ローム、泥灰土、石灰岩の交じる土壌はムニエに適していて、栽培比率が高い。北向きや北東向きで温暖化の影響もある程度は避けられる。長持ちしないと見なされがちな品種だが、エグリ・ウーリエの「レ・ヴィーニュ・ド・ヴリニィ」やエリーズ・ブジィの「レ・メヌー ブラン・ド・ノワール」を飲めば、繊細さと複雑性があり、熟成能力もあるとわかる。


巨匠たちから学びリジェネラティブな農業へ


 ヴリニーに本拠を置くルラージュ・プジョーもムニエ使い使いの1人と言っていい。重さや野暮ったさがなく、ビオディナミならではの純粋さと透明感がある。8.7haのうち黒ブドウは7.2haを占めるが、そのうちムニエの比率は65%にのぼる。グリーン・ガイドにも掲載されている。

 
 シャンパーニュでは困難かつ数少ないビオディナミ・グローワーである。7代目のドミニク・ルラージュとドミニク・プジョー夫妻が1985年から除草剤を減らし、2013年にオーガニック認証を取得、2017年にはビオディナミ認証をデメターから取得した。


 栽培だけにとどまらない、リジェネラティブ・ヴィティカルチャー(再生型農業)に取り組んでいる。土壌微生物学者クロード・ブルギニヨン、ルフレーヴやルイ・ロデレールをコンサルティングしたビオディナミの巨匠ピエール・マッソン、植物療法のエリック・プティオらから学んで、生物多様性の回復を目指している。養蜂し、植物のトリートメントも散布。畑には昆虫が飛んでいた。


 ヴリニー(Vrigny)、グー(Gueux)、クロム・ラ・モンターニュ(Coulommes-la-Montagne)の3つの村のなだらかな丘陵の畑を馬で耕し、被覆作物や果樹を植えている。野生酵母を活かすピエ・ド・キューヴ(Pied de Cuve)をスターターに使い、ステンレスタンクで発酵させる。亜硫酸は添加しない。「RAW WINE」に出展しているノンヴィンテージのトラディションの総亜硫酸量は15mg/Lと少ない。全体的にエクストラ・ブリュットからブリュット・ナチュールに移行している。


 「ルラージュ・プジョー トラディション ブリュット・ナチュール」(Lelarge-PugeotLes Tradition Brut Nature)はノンドゼになって正確さが増した。2021年ベース。ムニエ50%、ピノ・ノワール40%、シャルドネ10%。ほのかにオレンジがかって、クランベリー、洋ナシ、ミラヴェルプラム、オレンジの花、酸のキレがあり、ふくよかな果実味、ち密なテクスチャー。引き締まっている。アプローチャブルでおかわりが欲しくなる。デゴルジュマンは2024年11月。9000円。91点。


 輸入元はThe Opener。

2017年にビオディナミ認証。昆虫が飛ぶ畑
養蜂もしている。後方に飼い犬の姿
ここにもバーニーズ・マウンテンドックが Instagram@champagnelelargepugeot
小樽やフードルで熟成
ドミニクとクレメンス母娘

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