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シャンパーニュのコート・デ・バール地区で長年、オーガニック栽培を続ける老舗メゾンのドラピエを発展させた7代目当主アンドレ・ドラピエが亡くなった。98歳だった。
アンドレは1926年生まれ。訪れる人もいなかったコート・デ・バール南端のユルヴィルにある小さなメゾンを妻とともに発展させた。家族経営のドラピエは1808年に創業。1989年から農薬を使用しない有機栽培を行っている。
アンドレが1952年に初めて造った「カルト・ドール」は成功を収めて、自然派の造り手たちに愛された。1968 年には、当時としては目新しい100%ピノ ノワールのロゼ・シャンパーニュを造り、後にエリゼ宮で供された。2007年にはピノ・ノワール100%で亜硫酸を添加せずに造った「ブリュット・ナチュール サン・スフル」をリリースし、話題を集めた。
気候変動に対する問題意識が高く、二酸化炭素排出量の削減に取り組んだ。ブドウ畑で最も早くゼロカーボン政策を実施したメゾンの1つ。
メゾンからわずか数キロ離れた私邸に住むド・ゴール将軍はドラピエを愛飲する顧客だった。セラーには多くのカルト・ドールが保管されていたという。1990年に将軍の兵役50周年祝典を記念して「シャルル・ド・ゴール」と名付けたキュヴェを造った。
アンドレは高齢にもかかわらず、訪れる人々を見守っていた。メゾンは現在、彼の息子ミシェルとその子供たちであるユーゴ、シャルリーヌ、アントワーヌによって運営されている。
5日朝に亡くなるまで、ブドウ畑の近くに住み、定期的に家族と昼食を共にしていた。2024年は彼にとってブドウ畑での77回目の収穫だった。



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