TVシリーズ『神の雫』が文化作品賞を受賞…ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランスの2025年グランプリ

　フランスのワイン雑誌「ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス」（La Revue du vin de France）の2025年グランプリが発表された。

　日本から漫画『神の雫』を映像化したテレビシリーズ「Les Gouttes de Dieu」が年間文化作品賞に選ばれた。年間最優秀ヴィニュロンはミュスカデのジェローム・ブルトードー（Jerome Bretaudeau）、今年のメゾンはアルザスのトリンバック、今年のパーソナリティはソムリエのファブリス・ソミエとフィリップ・フォールブラックが受賞した。

　『神の雫』はフランスで200万部以上売れた。日仏共同制作されて山下智久が主演したテレビ・シリーズは、8エピソードが放送され、8週間で平均200万人の視聴者を集めた。大半のシーンはシャトー・ヌフ・デュ・パプのシャトー・ド・ボーカステルで撮影された。シーズン2も準備されているという。

　エヴァン法によってワインの広告が規制されるフランスでは、アルコールが様々な問題を引き起こし、期間限定の断酒運動「ドライ・ジャニュアリー」が定着しつつある。ワインについて話すことがためらわれる風潮がある。そうした時代状況下で大衆に届く漫画とテレビでワインへの関心を高めたことが評価された。

　ブルトドーはランドロンで研修して、2005年にドメーヌ・ド・ベル・ヴューを設立した。ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌやヴァン・ド・フランスが高く評価されている。メイユール・ヴァン・ド・フランス2025ではペイ・ナンテで唯一の3つ星。

　トリンバックは1626年以来、アルザスワインを世界広めてきた。67haの畑を所有し、2023年にオーガニック認証を取得した。リースリングのクロ・サンテューヌは2024年に100周年を迎えた。

　ファブリス・ソミエはフランス・ソムリエ協会の会長。フィリップ・フォールブラックは1992年に世界最優秀ソムリエとなり、2016年から2023年まで協会の会長を務めた。