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第1回アンジェリュス・トロフィー、近藤祐哉さんが優勝

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 ボルドー・サンテミリオンのシャトー・アンジェリュスの魅力を広めるソムリエを選ぶ第1回「アンジェリュス・トロフィー」の決勝が22日、東京・大手町のパレスホテル東京で開かれ、近藤祐哉さんが優勝した。


 2019年に予選が行われたが、新型コロナウイルスの影響で中断していた。アンジェリュスの7代目当主、ユベール・ド・ブアールが一次選考のショート・エッセイと二次選考の面談・ブラインドで絞り込んだ3人が決勝に臨んだ。


 決勝に進出したのは須藤亜希さん(ビストロ・ヨシミチ)、野村大智さん(NOT A HOTEL)、近藤祐哉さん(レカン)。ユベールの娘のステファニー・ド・ブアール・リヴォアルが審査委員長を務めて、パワー・ポイントを使用してのプレゼンテーションとサービス実技を競った。


 プレゼンテーションは、アンジェリュスのアンバサダーに就任して実施する施策の提案。サービス実技は、アンジェリュス1995にホテル内のレストランのメニューから選んだ料理を合わせてワインを注ぎ、ペアリングの理由を説明するというもの。


 近藤さんはプレゼンテーションでは、愛好家やプロを対象にした食事会や教育を、メリハリのある流れで提案した。サービス実技では、中華料理からXO醤を使った鮑料理を供した。いずれもよく準備された内容で、審査員だけでなく、会場の空気をつかんだ。


 近藤さんは8月に行われた全日本最優秀ソムリエコンクールの決勝に体調不良で出られず、今回は雪辱の意味合いもあった。「(ガラディナー中にコメントした)田崎真也ソムリエ協会の会長のような内容には及びませんが、アンエジェリュスの魅力を精一杯伝えていきたい。今年最後のコンクールで、負けられないつもりで全力を尽くしました」と喜びを語った。


 ステファニーは「最初のコンクールが日本で行われて成功した。世界に広めていきたい」とあいさつした。


 ディナーでは、蔵出しの貴重なワインが供された。「グランヴァン・ブラン 2020」は、シャトーでのディナーなど特別な機会に振る舞われる白ワイン。2000本以下の少量生産。日本で初めてお披露目された。


 「シャトー・アンジェリュス グランヴァン・ブラン 2020」(Chateau Angelus Grand Vin Blanc 2020)はシャルドネ50%、ソーヴィニヨン・ブラン30%、セミヨン20%。カスティヨンの丘陵の石灰岩土壌1haから。トースティで、ふくよか、熟したレモン、カリン、黄桃、ワクシーで、クリーミィなテクスチャー。すがすがしい酸を秘めて、バランスがとれている。フローラルで、塩気を帯びた味わい、余韻にハチミツのタッチ。ステファニーが右岸の白ワインの可能性を発掘した。Vin de Pays de l'Atlantique。92点。


 「シャトー・アンジェリュス 2004 マグナム」(Chateau Angelus 2004 Magnum)はメルロ60%、カベルネ・フラン40%。ブラックベリー、プラム、落ち葉、メントール、パウダリーなタンニン、テクスチャーはきめ細かい。ラベンダー、紅茶の葉、リフトのあるスモーキーなフィニッシュ。難しかった年の成功作。93点。


 

ステファニー・ド・ブアール・リヴォアルさんと近藤祐哉さん
シャトー・アンジェリュス2015をサービス
シャトー・アンジェリュス2012を手に
全日本最優秀ソムリエの森覚さん(左)と井黒卓さん(右)にはさまれて
グランヴァン・ブラン
ガラディナーで供されたワイン

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