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シャトー・マルゴーの持株会社CEOを43年間務めたコリーヌ・メンツェロプロス(70)が18日に退任し、息子アレクシス・レーベン・メンツェロプロス(30)に経営権を引き継ぐことを決定した。妹のアレクサンドラ・プティ・メンツェロプロスは、監査役会の会長に就任する。
アレクシスとアレクサンドラはシャトー・マルゴーを率いるメンツェロプロス家の3代目。アレクシスは2020年初めに事業開発ディレクターとしてシャトーに加わり、過去2年間、戦略開発担当副本部長を務めた。アレクサンドラは2012年にブランド・アンバサダーとして参画し、2016年からコミュニケーション担当副本部長を務めている。
シャトーは1977年、ワイン小売りのニコラと食料品のフェリックス・ポタンのチェーンを所有していたギリシャ人アンドレ・メンツェロプロスがジネステ家から買収した。アンドレが1980年に亡くなり、娘のコリーヌが27歳で引き継いだ。
当時のシャトーは石油危機と投資不足で落ち込んでいた。コリーヌはボルドー大のエミール・ペイノー教授が推薦した同世代のポール・ポンタリエを1983年に雇って、品質を回復させて栄光を取り戻した。
コリーヌは「家族の偉大な冒険の枠組みの中での自然な進化だ」とプレス・リリースで宣言し、「シャトー マルゴーの将来に全幅な信頼を置いている。私の息子は5世紀にわたって進歩と革新を絶え間なく追求してきたシャトー マルゴーの卓越性の伝統を永続させられると知っている」と断言した。
アレクシスは「母はアペラシオンの唯一の第1級としてのシャトー・マルゴーの地位を維持した。私も長期にわたる卓越性の精神を貫きながら、エステートの開発に全力を注ぐ。妹とともに、シャトー・マルゴーを世界最高のワインの1つにするという家族の目標を継続する決意を抱いている」とコメントした。
フィアットの創設者アニエッリ家が1990年代はシャトー・マルゴーの株式の75%を所有していたが、メンツェロプロス家が2003年に単独所有者となった。ほかの4つの1級シャトーと違って、関連するシャトーを展開せず、シャトー・マルゴーに専念している。
現在は1990年から2011年まで、ポンタリエの下でエステート・ディレクターを務め、コッポラのイングルヌックの支配人を経験したフィリップ・バスコールが2016年から、シャトー・マルゴーの総支配人を務めている。
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