ボルドーの名門、ルシアン・リュルトンが死去

　ボルドーのメドックやグラーヴ、ソーテルヌに大きな足跡を残したリュルトン一族のルシアン・リュルトンが亡くなった。98歳だった。

　ルシアンは1925年、アントル・ドゥー・メール地方で父フランソワの下に生まれた。1954年、マルゴーにある2級格付けシャトー・ブラーヌ・カントナックを相続し、管理を任された。1956年の霜で畑は壊滅状態に陥ったが、植え替えを行い、近代醸造学の創始者エミール・ペイノーを呼び寄せて再建した。

　古い本を読み、土壌の保水力を研究し、マルゴーの復活に大きな役割を果たした。1961年に2級のシャトー・デュルフォール・ヴィヴァン、1971年にバルサックのクリマンス、1974年にカマンサック、1979年にペサック・レオニャンのブスコー、1980年にはマルゴーのデミライユなど多くのシャトーを取得した。

　妻のマリー・ジャンヌと一緒に10人の子どもを育てて、1992年にシャトーを遺贈した。デミライユがドゥニ、ゴンザッグがデュルフォール・ヴィヴァン、ベレニスがクリマンスといったように、子どもたちはシャトーを発展させた。2019年に亡くなった兄のアンドレと共に、ボルドーで最大のワイン畑を有するリュルトン一族の礎を築いた。