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12日にパリで開かれた世界最優秀ソムリエコンクールは、ラトビアのライモンズ・トムソンが世界一のソムリエに輝いた。日本代表の岩田渉さんは決勝進出ならなかったが5位と健闘した。本場で行われながら、ワインの歴史が浅い国の若手選手の台頭が目立つ大会だった。
トムソンはリガを拠点とするインポーターのワイン・ディレクターで、ワイン教育プラットフォームも運営している。「ワインの歴史がない国で育ったため心が自由。それが有利に働いた。ラテンアメリカやスペイン、ポルトガルのような古典的な国は自国のワインに誇りを持っているので、世界のワインに心を開くことは難しい」と語った。
決勝はトムソン、デンマーク代表のニナ・ジェンセン、中国代表のReeze Choi(祭淦烽)の3人で争われた。トムソンは2019年にベルギーで開かれた大会で3位、ジェンセンは2位に入賞し、2人とも優勝候補だった。
Reeze Choiは香港に拠点を置き、ソムリエ・コンサルタント企業で、ワインプログラムのコンサルティング、アンバサダー、ワイン教育などのサービスを提供している。2018年のアジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクールでは、優勝した岩田さんに続く2位だった。
30代半ばと若いが、中国本土の最優秀ソムリエに何度も選ばれ、ヤン・ルーMSに次ぐアジアのトップソムリエの1人。シャトー・メルシャンや酒の取材のために来日した際に温泉旅館で一緒に飲んだが、謙虚で真面目な人柄。巨大な市場の中国をバックに、世界のトップに躍り出た。
33歳の岩田さんは2019年のベルギー大会の11位から着実に順位を上げた。直前に日本代表の選考会があって難しい調整を迫られたが、持ち前のタフな精神で臨んだ。各国や地域の代表選手は着実に若返っている。伝統国以外の国のソムリエとして将来に期待がかかる。
地元アンジュのマスターソムリエ、パスカリーヌ・ルペルティエ(Pascaline Lepeltier)はセミファイナルで敗退し、4位に終わった。ルペルティエは2014年にマスター・ソムリエとなり、2018年のフランス最優秀ソムリエで、MOF(フランス国家最優秀職人章)も取得している。「ナチュラルワインの伝道者」と呼ばれ、世界のワインシーンに影響を与えている。
「フランスでは私たちは甘やかされた子供たち。ワインを知った新しい国々は、学び、分かち合いたいという渇望を持っている。信じられないほどの熱意を持っていて、とても速い」と準決勝の後に語った。
彼女は1989年以来、30年以上ぶりの自国開催で優勝への期待を背負っていた。観戦していたパリのソムリエ、染谷文平さんによると、決勝に進出できなかったため、4000人の観客の空気が一気に冷めたという。
セミ・ファイナリストは以下の通り。
4 Pascaline Lepeltier, France
5 Wataru Iwata, Japan
6 Valeria Gamper, Argentina
7 Jo Wessels, South Africa
8 Andrea Martinisi, New Zealand
9 Suvad Zlatic, Austria
10 Sotiris Neophytidis, Cyprus
11 Tom Ieven, Belgium
12 Réza Nahaboo, Switzerland
13 Kai-Wen Lu, Taiwan
14 Manuel Schembri, Iceland
15 Mark Guillaudeu, USA
16 Francesco Marzola, Norway
17 Chuan Ann Tan, Malaysia
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