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バローロにクリュの概念を導入、ルチアーノ・サンドローネが死去

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 イタリア・バローロにクリュの概念を持ち込み、カンヌビ・ボスキスの名を高めたルチアーノ・サンドローネが5日、亡くなった。76歳だった。


 サンドローネは1946年生まれ。農業学校を卒業して15歳からジャコモ・ボルゴーニョで働き始めた。1970年から1990年まで働いたマルケージ・ディ・バローロで醸造長を務めた。その間の1977年にカンヌビ・ボスキスの畑を購入し、自宅のガレージで仕込んだワインがヴィニタリーで注目を集めた。


 エリオ・アルターレ、ドメニコ・クレリコ、ロベルト・ヴォエルツィオらと並ぶバローロ・ボーイズの代表格。大きな功績はバローロにクリュの概念を持ち込んだこと。1985年にカンヌビ・ボスキスのクリュ名をラベルに表示した。


 バローロ・ボーイズというキャッチフレーズは、ブローカーのマルク・デ・グラッツィアが、プロモーション向けに作り上げた面もあり、醸造手法は造り手で異なる。サンドローネは発酵時にロータリー・ファーメンター(ロット)を使わず、マセラシオンの期間を短くして、500Lの大樽で熟成した。


 サンドローネは1975年にブルゴーニュに出かけて、テロワールの重要性を学んだ。畑仕事の大切さを感じ、グリーン・ハーベストや、綿密なキャノピー・マネージメントを行って、ブドウの質を上げた。


 バローロ・カンヌビ・ボスキスはロバート・パーカーから1980年代に高く評価され、1989年が97点、1990年が99点を獲得。サンドローネの名前は世界的に知られるようになった。


 現在は娘のバーバラを筆頭に、孫のアレッシア(Alessia)とステファノ(Stefano)がワイナリーを継承している。家族のサポートに感謝を捧げるため、高名な「カンヌビ・ボスキス」は、2人の孫の名をとって「アレステ」(Aleste)の名前に変えて、世界を驚かせた。中身は変わらない。

 

 特別なクローンから仕込んだ「バローロ・ヴィテ・タリン」を2013ヴィンテージでデビューさせ、スーパー・バローロとして注目を集めている。


 バローロ、ドルチェット、バルベーラを生産し、ライブラリーワインのsibi et paucisも世に出している。

左から、ルチアーノの弟ルカ、ルチアーノ、ステファノ、アレッシア、バーバラ
アレステの名前のもとになったアレッシアとステファノ
バーバラ・サンドローネ

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